中国の浄水・廃水処理市場、高成長を維持

市場調査の専門企業The Freedonia Group, Inc.が2008年5月発表した報告書によると、中国の浄水・廃水処理市場はあいかわらず堅調で、ここ数年の2桁成長を維持する勢いだという。同社の予測では、2007年から2012年にかけての中国の水処理市場は、2002年から2007年にかけての20%強という急成長とくらべればひと息つくものの、15%ないし17%と、依然として高い伸び率を示す見込みである。

 

高成長をつづける中国の産業界では、水利用の効率化も進んではいるが、水使用量の伸びは依然として大きく、2012年まで年率15%の伸び率で増加していくものと見られている。産業界では水の再生利用とリサイクルが進み、それにともなって殺生物剤、キレート剤、および高度な濾過システムと膜システムの市場の堅調な伸びが予想される。

 

公共部門では、上水道インフラと下水処理インフラの拡張がつづいている。小規模な町や農村部では、上下水道システムはまだほとんど整備されていない。さらにまた、増えつづける膨大な人口が、より水質のよい飲用水を要求している。その結果、公共上水道の浄水処理部門は2010年まで16%を超える伸び率で成長するものと見られている。

 

The Freedonia Groupはこの報告書を発表したときのプレス・リリースで、つぎのように述べている。「設備投資とエネルギー・コストの面で非現実的と見られがちな海水淡水化でさえ、中国の逼迫した水需給問題を解決する手段として真剣に検討されているほどだ」

すべての部門を合わせた中国の水処理市場は、The Freedonia Groupの予測では2007年の204億元(約3190億円)から2012年には420億元(約6570億円)へと、ほぼ倍増することが見込まれている。