豪ヴィクトリア州政府、国内最大の淡水化プラント事業に携わる最終候補企業を発表

2008年9月30日、ヴィクトリア州のBrumby政権は、同州の淡水化プラント・プロジェクトの設計、建設、融資、操業およびメンテナンスに携わる最終候補企業を発表した。これは国内最大の淡水化プラントで、官と民のパートナーシップ、いわゆる「PPP」で進められ、プラントの建設・操業、長さ85kmの輸送用パイプライン、プロジェクトに必要な電力の供給および再生可能エネルギーの購入も含まれる。

 

最終候補に挙げられた入札企業は、次の2つのコンソーシアムである。

  • Degrémont社、SUEZ Environment社、Macquarie Capital Group社、Thiess社からなるAquaSure
  • Veoila Water社、John Holland社、ABN AMRO Australia社からなるBassWater

 

Holding水道担当大臣は、2008年7月に締切りの関心表明書(EOI)を提出した8社を審査するための厳しい選定プロセスを経て、最終候補企業を決めたという。Brumby政権は、雨水に頼らずにメルボルン、ジーロング、ウェストポートやサウスギップスランドの町に水を提供しようとしている。Holding大臣によると、候補に選ばれた2つのコンソーシアムは、建設、融資、技術、環境管理、建築、特に淡水化プラントの建設において豊富な経験がある。また、世界をリードする淡水化の専門企業2社が参加しており、それぞれのコンソーシアムはオーストラリアと海外で、大型淡水化プラントの建設および操業をする能力があることを証明している。

 

これらのコンソーシアムは、幅広い淡水化技術の経験も含め、優れた技術を持った海外の企業が集まってできているが、建設作業やそれに伴った労働力の大半は、オーストラリアで賄われる。この淡水化プラントは年間1500億リットルの水を生産し、2011年の末には操業できることになっている。また、将来的には2000億リットルまで増産できる可能性がある。

最終候補に挙げられたコンソーシアムは、提案書募集プロセスの一環で競争の激しい入札をすることになり、提案書はヴィクトリア州政府の淡水化プロジェクト・チームに提出される。入札の締切りは2009年3月で、2009年半ばまでに淡水化プラント・プロジェクトの契約が結ばれる。海水サンプル用のプラントを開発し、プラントにつなげるパイプの取水口と放水口の位置を決めるため、Wonthaggi地区では予備調査が続けられている。環境影響評価報告書に関する公衆の意見提出は、2008年9月30日で締切りとなっている。

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