アメリカWDBC、次期大統領・議会・州知事に公開要望書

アメリカの水設計施工一貫事業者協議会(WDBC:Water Design-Build Council)は2008年12月22日、オバマ次期アメリカ大統領、連邦上下院、および州知事らに宛てた公開要望書を公表した。以下は、「水インフラ・プロジェクトのスケジュールを加速するための刺激策パッケージにおける設計施工一括契約の活用の要望」と題するこの要望書の概要である。

 

WDBCはオバマ次期大統領の選出を歓迎し、かつてないほど困難な経済および環境の問題への次期政権の取組みを全面的に支援することを約束する。多くのそうした課題のなかでも、上下水道インフラの安泰と持続性ほどアメリカ人の生活に不可欠なものはあまりない。全米の水インフラのニーズを満たすための刺激策に連邦政府が責任をもって予算を割く必要があることについて、われわれは多くの州知事、自治体首長、および上下水道の業界団体らと意見の一致を見ている。

そのためにも、水インフラ・プロジェクトに設計施工一括契約を活用して、その進行を加速する必要がある。設計施工一括契約は、この15年間の実績により、プロジェクト期間を最大30%短縮し、たいていの場合コストの削減につながり、また、設計と施工という2段階の契約を経る必要がないので、スケジュールの管理がしやすいばかりでなく、設計段階からプロジェクト全体の見通しがきくことが証明されている。設計施工一括契約のおもなメリットは以下のとおりである。

 

着工も、プロジェクトの完成も早い。たいていの場合、工事は設計が完了するまえからはじまり、時間とコストの節約になるほか、施工品質も向上する。設計と施工の2段階契約とちがって、施工の入札前に設計を精査する必要もなく、設計開始後3ヵ月以内に工事をはじめることができる。

設計と施工の全体を通して最良の設計施工一貫業者を選ぶことができる。すなわち、同様のプロジェクトにおける実績、革新的なアイディア、チームとしてまとまって動く意欲、それに価格の決めかたなどをもとに業者を選ぶことができるわけで、この点が、当初の提示価格一本槍で設計業者と施工業者を別べつに選んでいた従来の方式とは根本的にちがう。

設計と施工を一挙に見通すことができる。設計業者と施工業者がはじめからいっしょなので、設計部隊と施工部隊のあいだで齟齬が起きにくい。このほか、進行途中でのプロジェクトの変更や、クレームなども、従来の設計・施工2段階契約の場合とくらべてすくない。