GEの2008年の業績 ――インフラは伸びるも、金融が足枷に

General Electric Co.(GE)の2008年の業績が2009年1月23日に公表された。今回発表された数字は、金融部門(GE Capital)がこのご時勢で利益を大きく損じたことを色濃く反映しているが、水ビジネスを含むインフラ部門は良好な業績をのこしたことを示している。

この2008年の業績を、Associated Press(AP)やThe New York Timesなどの多くの報道機関が、2009年1月23日付のGEのプレス・リリースに要約されている四半期報告にもとづいて報じた。

それによると、GEの2008年の総売上は2007年比で6%伸び、1830億ドル(約18兆2000億円)となった。しかし、年間利益は19%落ち込んで、181億ドル(約1兆8000億円)だった。これについてGEはプレス・リリースのなかで、たしかに前年比では落ち込みはしたものの、2008年の年間利益はGEの歴史上3番目に高いものだったと述べている。

 

マイナス要因としてAPは、GEの「長期的な利益の源泉だったGE Capitalが、(経済の)減速によって企業や消費者が借り控えや債務不履行を余儀なくされたため、利益を激減させることになった」ことを挙げている。

金融ビジネスのこうした不振のなか、コスト削減策の一環として、GEは2008年の秋、家庭用浄水器の顧客に対する消費者金融サービスをとりやめ、このために多くのディーラーがべつの貸し手をさがして奔走することがあった。だが、家庭用以外の水処理関連の顧客に対しては、GEは金融サービスを継続している。いずれにせよ、GEはプレス・リリースのなかで、同社のCapital Financeセグメントの利益が2008年第4四半期には前年同期比で67%落ち込み、2008年全体でも前年比で29%減少したと述べている。

 

プラス要因としては、同社のEnergy Infrastructureセグメントの好業績をまず挙げることができる。GE Water and Process Technologies(GE Water)を含むこのセグメントは、2008年第4四半期には前年同期比で21%の売上増、2008年全体では前年比で26%の売上増を記録している。また、利益に関しては、2008年第4四半期は11%増、2008年全体では26%増となっている。このうち、GE Waterの寄与分がどのくらいだったのかは、明らかになっていない。

ともあれ、現在の世界不況は、GEにとっても警戒要素となっている。GEのインフラ部門は2008年の第4四半期も、また2008年全体をとおしても順調に伸びたが、「2009年にはその勢いが弱まると見られる」とThe New York Timesは伝えている。

 

今回発表された2008年の業績についてGEのJeffrey Immelt会長兼CEOは、これは同社が2008年12月に投資家向けに提供した業績予想にもとづいてウォール・ストリート筋が考えていたとおりのものになったと述べている。

同会長兼CEOはさらにこうつづける。「われわれは、2009年がたいへん困難な年になると予想している。しかしわれわれは、キャッシュフローと流動性の強化、コストの管理、リストラ、リスク対策の強化、経営見直しのサイクルの短縮化、売上の減少防止など、さまざまな備えをじゅうぶんにしてきた」

Immelt会長兼CEOはまた、GEの2008年末のインフラ装置とサービスの受注残が1720億ドル(約17兆2000億円)であったことを指摘し、こう述べている。「サービスの面でも、全世界での成長という点でも、それにマージンの面でも、われわれはしっかりとした歩みをつづけている。GEがこの時期を乗り切り、不況後の世界で2桁の成長に復帰するための準備は、すでに整っている」