Siemens、ITTのPortacel製品ラインの全権利を取得

Siemens Water Technologiesは2008年12月4日、ITT CorporationのPortacel製品ラインの全製品と修理交換用部品の製造と供給を全世界でおこなう独占ライセンスを取得したことを明らかにした。ITTは今後、Portacel製品とその予備部品の製造と販売をおこなわない。このライセンス契約には、製品の供給ばかりでなく、すでに販売された飲料水殺菌用のモニタリング・注入装置、とりわけ、ガス状および液体状塩素の真空注入装置のサポートも含まれている。このライセンス契約により、Siemensは化学薬品注入および殺菌のサポートの範囲を世界中にひろげることができる。

 

この契約にもとづき、Siemensはおよそ20ヵ国で装置の重要なサポート拠点を買い取る。同社はPortacelの既存の顧客のニーズにも応えていく意向で、最近、Portacelの前販売・マーケティング部長を雇い入れ、Portacel製品ラインの海外での販売を継続する体制を整えた。製品の供給とアフター・サービスは、Siemens Industry Solutions Division 傘下のSiemens Water Technologiesのイギリスのオフィスが管理する。Siemensは、化学薬品注入、検針、殺菌、塩素殺菌、および電解滅菌用装置を供給する世界最大手企業のひとつで、それらをWallace & TiernanやStrancoなどの著名ブランド名で販売している。

 

Portacelは、いくつかの国でITT Corporationとその系列企業の商標になっている。Siemens Industry Solutions Divisionが属するSiemens Industry Sector(ドイツ、エルランゲン)は、生産、輸送、建設、および照明技術の世界最大手のサプライヤーである。統合化されたオートメーション技術と、それぞれの産業分野に固有の広範なソリューションを組み合わせることにより、Siemensは産業およびインフラ分野の顧客の生産性、効率、それに適応性の向上に貢献している。Siemens Industry Sectorは、Building Technologies、Device Technologies、Industry Automation、Industry Solutions、Mobility、およびOsramの6つのDivisionから成る。現在、Siemens Industry Sectorは全世界に従業員約22万2000人を擁し、年間売上はおよそ380億ユーロ(約4兆8000億円)、年間利益は約38億6000万ユーロ(約4880億円)である。

 

Siemens Industry Solutions Division(ドイツ、エルランゲン)は、傘下にSiemens VAI Metal Technologies(オーストリア、リンツ)、Siemens Water Technologies(アメリカ、ペンシルヴェニア州Warrendale)、およびIndustry Technologies(ドイツ、エルランゲン)を擁し、産業およびインフラ施設へのソリューションとサービスのプロバイダーとして世界最大手のひとつである。Siemens Industry Solutions Divisionは独自の製品、システム、およびプロセス技術を使って顧客のプラントを開発、建設するとともに、それらプラントの運転を立ち上げ、全ライフサイクルにわたるサポートを提供している。全世界に従業員約3万1000人を擁するSiemens Industry Solutions Divisionは、2008年度は総額84億ユーロ(約1兆1000億円)(ただし監査前の仮決算値)の受注を獲得した。