GE、ヒートポンプ電気温水器の生産を開始へ

General Electric Co.の一部門であるGE Consumer & Industrialは2009年6月1日、ヒートポンプ技術を用いた新しいハイブリッド電気温水器の生産を、ケンタッキー州LouisvilleのAppliance Parkコンビナートで開始することを明らかにした。

特許取得技術を使用したこの電気温水器の生産により、GEは、エネルギー省の「エネルギー・スター」基準のヒートポンプ温水器カテゴリーで2009年の新基準を満たすものとして認定される最初のメーカーとなる。

ヒートポンプ温水器は、温水器のなかでは比較的少数派である。他の数社が、既存の従来型温水器の上に取り付けるヒートポンプ・ユニットを製造している。

 

GEの試算では、水の加熱に抵抗素子を使う従来型の50ガロン住宅用電気温水器は、年間およそ4800キロワット時(kWh)の電力量を消費する。これに対して、GEがこれから生産する新しいタイプの温水器は消費電力量が半分で済む。つまり、電気料金にすると年間約250ドル(約2万4000円)が節約できることになる。

この電気温水器は、まず、ファンが吸い込んだ周囲の空気を冷媒液の蒸発器に通し、そこで熱を加えられた冷媒をこんどはコンプレッサーで圧縮してさらに温度を上げ、それによって加熱された水を貯水タンクに送り込む、という方式である。つまり、ヒートポンプ温水器は、ごく大まかにいえば冷蔵庫の動作原理を逆にした原理で動くと考えればよい。

 

エネルギー省によれば、「エネルギー・スター」プログラムで認定を受けるためには、ヒートポンプ温水器はさまざまな条件をクリアしていなければならないが、なかでも、エネルギー係数(エネルギー省の定義では、温水器の有効なエネルギー出力対消費した全エネルギーの比)が2.0を超え、1時間あたりの最大給湯量(エネルギー省の定義では、熱湯満タン状態からスタートして1時間あたりに温水器が供給できる熱湯の量をガロン単位であらわしたもの)が50ガロンを超えていなければならない。

GEは、2009年秋に開始する予定のこの新型温水器の生産により、Louisvilleにおいて約400人の新規雇用が生まれ、長期的に見れば、全米のサプライヤー、契約パートナー、その他に1600人の「グリーン」雇用が生まれると試算している。