水利用効率に関するコンテストが始まる

Imagine H2O(H2Oを考えてごらん)は、新たに発足したNPOであるが、2009年5月5日のプレスリリースの中で、急速に増えている水問題を解決する可能性のある商業革新を促進するためのコンテストを発表した。

すなわち、同NPOは、水問題のリーダーを育成することを目的とする5万ドル(約480万円)の賞金と「インキュベーター・プログラム(Incubator Program)」を提供することにした。

Imagine H2OのTamin Pechet会長兼事務局長は、このことに関して「この賞を際立たせているのは、水問題リーダーのためにわれわれが提供するインキュベーター・プログラムと『環境』である。受賞者はまた、自分のアイデアを売り出して誰もが認める差をつけられるように、事業や法的な支援という形で、多額の資金やパートナー、顧客、投資家のネットワークへのアクセスを得ることになる」と述べた。

このコンテストの最初の賞では、たとえば、水需要の削減、水利用の改善、水のリサイクル/リユースといった水の農業、商業、工業あるいは住宅における利用効率に焦点が当てられる。世界中の誰もが9月から応募でき、受賞者は、2010年初めにショーケース・イベントで発表されることになっている。

今後毎年実施されるコンテストでは、ほかの重要な水問題を扱うさまざまな主題が設定されることになる。

 

国連環境計画(UNEP)によれば、世界の人々の3分の2は、2025年までに水ストレス(不足)の状況下で生活することになる恐れがある。Pechet氏は、「途上国だけでなく先進国でも水問題が深刻であり、それがさらに深まっているということに気づいている人は少ない」と述べた。事実、米国環境保護庁(USEPA)は、米国のほぼ4分の3の州で2013年までに水不足が起こると見ている。

このような懸念に多くの人が気づいていないため、Pechet氏はさらに、「われわれは、企業家精神と新しいアイデアを助長するための一致した努力をしなければならない。水はベンチャー・キャピタル・インベストメントのたった5 %しか占めていないからである」と述べた。

しかし、これまで水関係の市場に失敗があったとしても、同氏はコップはまだ半分しか満たされていないと考えている。「汚染されていない水を得るための戦いは、われわれの時代のやりがいのある仕事である。われわれは、企業家であるから、これはわれわれにとって最大の機会を意味している。Imagine H2Oの賞は、われわれの打開策である」と同氏は述べた。

なお、Pechet氏は、2007年にハーバード大学大学院経営学研究科にいる間にこのImagine H2Oを共同設立している。

上記の賞に関するさらなる情報は、以下のウェブサイトで見られる。
www.imagineh2o.org

Imagine H2Oのプレスリリース:
http://www.imagineh2o.org/files/IH2O%20Launch%20Release%205.5.09.pdf