健全な海洋は気候変動と闘うための新しい鍵――国連機関と科学者が報告書を作成

気候変動との闘いに熱心な政府は、主な海洋生態系の維持と修復に投資できる「ブルー・カーボン(Blue Carbon)」基金を検討すべきである。

上記の提言は、3つの国連機関、すなわち国連環境計画(UNEP)、食糧農業機関(FAO)および国連教育科学文化機関(UNESCO)の政府間海洋委員会と一流の科学者が作成し、南アフリカの海洋月間の間の2009年10月14日に発表された新しい「迅速対応アセスメント(Rapid Response Assessment)」の報告書Blue Carbon: the Role of Healthy Oceans in Binding Carbon(ブルー・カーボン:健全な海洋の二酸化炭素をしばりつける役割)のなかで行なわれた。

ところで、ブルー・カーボンとは、森林で吸収・貯蔵されている二酸化炭素をグリーン・カーボンと呼んでいるに対して、海の生態系によって吸収・貯蔵される二酸化炭素を指すことにした新しい造語である。

上記報告書の要点は、次の通り。

  • 世界の輸送セクターが年間に排出する量の半分に等しい二酸化炭素がマングローブ、塩性湿地、海草といった海洋生態系によって捕捉され、貯蔵されていると推定される。
  • このような海洋生態系の被覆率と健全性を修復することと陸上での森林伐採を削減することを組み合わせることによって、気候変動を避けるために必要な二酸化炭素排出削減量の最大で4分の1までを削減できる可能性がある。
  • 人類は、このような自然のカーボン・シンク(二酸化炭素吸収源)を維持し、その能力を増強するどころか、加速的にこれを損ない、その能力を低下させている。
  • このようなブルー・カーボン・シンクが、毎年2~7 %失われていると推定されるが、これは、50年前の損失速度の7倍である。もし何の対策も講じられなければ、ほとんどのブルー・カーボン・シンクが、20年以内に失われてしまう恐れがある。

なお、グリーン・カーボンを維持することに関しては、国連の森林伐採・劣化からの温室効果ガス排出削減プログラム(REDD)の下で各国政府が途上国に資金を提供することに合意するものと見られている。

上記報告書は、以下のウェブサイトで見られる。
http://www.grida.no/publications/rr/blue-carbon/ebook.aspx