USGBC、LEED認証ビルのエネルギーや水の節約性能の評価へ

米国グリーンビルディング協会(USGBC」は2009年8月24日、「エネルギーと環境に配慮した設計におけるリーダーシップ(LEED)」で認証されたビルディングがどのくらいよくエネルギーや水を節約し、そのほかの環境目標を達成しているかについて判断するためのプログラムを作成中であると発表した。

このプログラムには、LEED認証ビルディングのデータベースの作成、そのデータの分析、そしてビルの所有者がビルの予測された性能と実際の性能の差に対応できるようにするためのフィードバックなどが含まれている。

 

このようなプログラムを作成することになったのは、2008年にUSGBCが行なった121棟のLEED認証新築ビルに関する調査で、その報告書Energy Performance of LEED® for New Construction Buildings(新築ビルに関するLEEDのエネルギー面の性能)のなかで挙げられている次に示すLEEDの改良をうながす結果が出たからである。

  • LEED認証新築ビルは、平均でみれば、設計されたようなエネルギーの節約を生み出しているが、たとえば、121棟のうち91棟は環境保護庁(EPA)のエネルギースター基準の中央値より性能がよかったが、少なくとも18棟はそれをはるかに下回る性能であった。したがって、まだビルの多くのエネルギー効率を改善し、それらの性能を監視することでLEEDをよくする余地がある。
  • 良い性能と悪い性能のビルのいくつかを追跡調査することによって、最悪の性能のビルをなくす方法を見出し、また最良の性能のビルから取り入れるべき実際的な知恵を見出すことができるので、これらをLEEDに反映させることができる。

上記調査に関して、USGBCのScot Horst LEED担当副会長は、「この調査の目的は、誰もこれまで行ったことがない方法でビルの性能に関する知識を集めることである。われわれが認証事業で集めている情報は、よりよい性能のビルを実現するための有効な総合的なアプローチである」と述べた。

同協会は、ビルの性能に影響を与える多くの要因があるが、そのなかで飛びぬけて最大といえるものは、人々の日常のビルの使い方であって、たとえば、退室するときに明かりを消す、流しで水を流しっぱなしにしない、自動ビル制御装置に異常がないかチェックすることなどによってエネルギーや水の節約に大きな差がでることになりうると述べた。

 

ところで、USGBCが作成中のプログラムについて、EPAのエネルギースター・プログラムの市場セクター・グループのMike Zatz主任は、このプログラムによってUSGBCがLEEDがどれだけよく機能しているかを評価できるので、すばらしいと述べた。

 

なお、上記報告書は、以下のウェブサイトで見られる。
http://www.usgbc.org/ShowFile.aspx?DocumentID=3930