GE、世界に3箇所の分析センター設置――顧客への綿密なサービス強化してグローバル展開を後押し

持続可能な供給力を上回るスピードで増大する需要に対して、エネルギー及び水市場は多くの共通した課題に直面している。平均的な都市では、そのエネルギー需要の推定6~20%は、水の生産、処理及び輸送に消費されており、その一方で、世界の淡水の15%は産業用に使用されている。したがって、この産業セクターが成長すれば、電力と水に対する需要も増大する。

こうしたエネルギーと水の需要が逼迫する世界の市場の中にあって、GEのWater & Process Technologies部門は、3つの「顧客分析サービス・ラボラトリー(Customer Analytical Services Laboratories)」を設置し、これらは現在、世界中で成長の牽引役となりうる技術の開発に当たっている。これら3つのラボの設置場所は次のとおり。

  1. 米国テキサス州Woodlands市
  2. シンガポール
  3. ベルギーHaasrode市

これらの研究拠点には、化学、冶金の評価・研究・開発、及びエンジニアリングの分野で専門的技能を有するスタッフが集められ、問題の解決に高度に適用可能な多分野にまたがるサービスの提供を可能とし、またGE社の世界に広く存在する顧客への日常的な分析サービスの提供も可能にするものとなっている。

GE社Water & Process Technologies部門の傘下にあるEMEA Technology社のトップであるPeter Geuns氏は、「これら3つの研究センターへの投資は、GE社がその産業分野の顧客とともに成長しようとする真のパートナーであらんとすることの証である。営業担当マネージャーや製品アプリケーションの専門家、そしてこれらの分析サービス拠点と協力してゆくことによって、GE社は顧客に完璧なモニタリング及び問題解決サービスを提供できる。すなわちこうした一環サービス体制を敷くことによって、GE社は顧客の、増大する水やエネルギーの需要、高まる環境対策、そしてその他の諸課題のほとんどに対処することが可能となっている」と語っている。

最も適切な分析手法の利用は、何を質問すべきか正しく問うことのできる知識と関連する分野のエキスパートとを併せ持つことで、GEとして具体的な問題や用途に対して個別に的確に対処しうるソリューションを作成することを可能にしているという。

分析サービスには、超純水サンプルにおける伝統的な小規模の分子分析から難しいマトリックスにおける複雑な分子システムの特性分析などにいたるまでの広範なサービスが含まれる。GEのエンジニアには、GEの顧客が問題の解決、プログラム評価、及びその他の一般的な水やプロセスの試験のニーズに対処する際に支援することができるデータをGEのエンジニアに提供するために、標準的なものや特許を有する手法が利用されている。また、ISO9001の認証を2008年に取得したこれらのラボでは、費用対効果が優れ納期にもきちんと対応できるようにするため、高度に自動化され効率的な日常的サービスが提供されている。

これらのラボでは具体的なサービスとして主に日常的な水質分析が行われている。また、まだ十分な態勢にはないが部分的に提供されている分析サービスには次のものがあるという。

  • 無機及び有機の堆積物の分析
  • 微生物学的判定
  • 石油製品の分析
  • イオン交換樹脂と膜の評価
  • 表面分析
  • 冶金不具合分析

3ヵ所のラボにおける人材と研究体制

  • 世界中で経験を積んだ90名に上る、専門の科学者、技術者及びサポートスタッフを擁する。
  • 1000万ドルを超える試験設備への投資
  • 必要とされる分野に焦点を当てて諸資源を利用することができる柔軟な試験組織体制
  • 先進の表面分析や不具合分析を提供できる冶金チームの編成
  • 顧客の固有のプロセスや立地に特有の諸問題を総合的に診断するための独自のエンジニアリング専門知識の整備

分析サービスの内容(英文)

  • Water Analysis (Anions, Cations, TOC, Oil & Grease, Particle Sizing)
  • Spectroscopy (Infra-red, Mass, Nuclear Magnetic Resonance, UV/Vis, X-Ray, ICP, AA)
  • Separation Chromatography (GC, HPLC, GPC/SEC, GPC/SEC, IC, TLC)
  • Metallurgical (Failure Analysis, Deposit Weight Density, Corrosion Coupons)
  • Surface Analysis (Scanning Electron Microscopy, Particle Analysis, Crystallography)
  • Microbiological Analysis (WW Characterization, Biocide Efficacy)
  • Deposit Analysis (Inorganic, Organic, Micro)
  • Oil Analysis (Feedstock Characterization, Finished Product Additives, Fuel Oils)
  • Resin Analysis
  • RO/ED Membrane Autopsy Analysis
  • Residual Product Analysis