Aqua-Chem、不況のなかの成長戦略

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アメリカ経済が不況から立ち直ろうと喘いでいるなか、テネシー州ノックスヴィルの浄水システム・メーカー、Aqua-Chemは、逆風を突いて成長の道をさぐっている。

2009年12月、Aqua-Chemは、フロリダ州の水処理機器メーカーMatrix Utilitiesを買収した。Matrix Utilitiesは浄水システムのほか、廃水処理、発電、および焼却用のシステムを製造している。Aqua-ChemのDavid Gensterblum社長兼CEOは、この買収によって新たな市場に展開する大きなチャンスが得られたと語っている。

Gensterblum社長兼CEOによると、Aqua-Chemは2009年の最後の数週間に、新たな分野で合計800万ないし900万ドル(約7億4000万ないし8億3000万円)の契約を獲得したという。そのなかでも最大のものはロシアのウラジオストクの大学に浄水システムを提供する契約で、これは実際には、ひとつの村を拡張するという大きなプロジェクトの一部にすぎない。

「最初のフェーズだけで200万ドル(約1億8000万円)になり、その後、3つないし4つのフェーズがつづくことになっている」とGensterblum社長兼CEOはいう。

テネシー州イースト・ノックス郡のForks of the River工業団地に本社を置くAqua-Chemは、1947年の創立で、当時はウィスコンシン州ミルウォーキーにあった。じつは、同社は会社として出発する以前の第二次世界大戦中から、軍に浄水を供給する仕事をはじめていた。現在の地に本社と主要事業所を移したのは1989年のことである。

Aqua-Chemは軍との契約のほかに、病院、外洋船舶、海上石油プラットフォーム、およびボトル・ウォーター・メーカー用の浄水システムの生産もおこなっている。その製品は、イラクやアフガニスタンで部隊が使用している移動式浄水システムから、Niagara、Perrier、Zephyrhills、Ice Mountainなどのブランドのボトル・ウォーターの生産に使う装置にいたるまで、多様である。Aqua-Chemは現在、およそ100ヵ国でビジネスを展開している。

事業の中心となっているのは、ガバナー・ジョン・サビー・ハイウェイ沿いの13エーカーの敷地にある18万5000平方フィートの施設である。そこではおよそ150人が働き、最近入札がおこなわれた1000万ないし1500万ドル(約9億2000万ないし14億円)の軍相手の契約が獲得できれば、新たに最大25人を雇用することになるとGensterblum社長兼CEOはいう。

多くの企業がアウトソーシングに走る時代にあって、Gensterblumは、それとは逆のアプローチをとりたいとして、こう述べている。

「第三世界へのアウトソーシングを増やさなければならないと考えているひとたちに、わたしは批判されてきたが、しかしわたしは、自分の運命を自分でコントロールできる立場にいたい。自社の品質を自分で管理できるのは、よいことだ」

アウトソーシングは計画段階ではよさそうに見えるが、船賃だの、物流コストだの、品質だのと、さまざまな問題が現実のものになってくると、思ったほどの節約にならないことが多い、とGensterblumはいう。

Aqua-Chemは株式非公開企業で、Gensterblum社長兼CEOは具体的な数字を示さなかったものの、同社の売上は、2009年の停滞期を除いてここ数年急速に伸びつづけているという。同社長兼CEOは、同社が現在、さらにいくつかの企業買収を交渉中であることを明らかにし、つぎのように述べた。

「わたしは、この会社を1億ドル企業にまでしたいし、また、そうできると思っている。1社ないし2社の買収で、会社の厚みがさらに増し、販売促進面での露出頻度も増えてくる。こうしたことが、われわれにとってすべての面でプラスに働くとわたしは考えている」

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