インド、特別経済区(SEZ)の環境規制強化へ――再生可能エネルギーの利用や建物の省エネ設計などを義務化

インド商工省は、2009年12月14日、すべての特別経済区(SEZ:Special Economic Zoneに対して、環境に配慮するよう義務付ける計画を明らかにした。同計画は、再生可能エネルギーの利用やビルの省エネ設計を義務付けるものである。SEZとは、経済活動を促進するために、特に輸出に関して免税が認められている工業地区である。

 

同計画が実施されれば、SEZを開発するに当たって、企業は、省エネ性能に優れた建物を建設することが求められ、インド・ グリーン・ビルディング協会(IGBC:Indian Green Building Council)が定める基準や省エネルギー建築物コード(ECBC:Energy Conservation Building Code)の基準を満たすことが要求される。また、すでに建設された建物についても、2~3年以内に同様の基準を満たすことが求められる。建物の省エネを担保するため、IGBCとタタ・エネルギー研究所が、省エネ設計の監査および認証を行う見込みである。

また、SEZで消費されるエネルギーの2%を、太陽光などの再生可能エネルギーによってまかなうことも義務付けられる予定である。この比率は、20%まで引き上げられる予定となっている。SEZ内の街灯や広告についても、消費エネルギーの一定の割合を太陽光発電によって供給しなければならなくなる。白熱灯の使用は禁止される。

さらに、SEZ内の輸送には、電気自動車やCNG(圧縮天然ガス)車、あるいはバイオ・ディーゼル車を利用することが義務付けられる予定である。下水処理施設の設置や雨水の収集および利用、廃棄物リサイクルなどについても規定が定められる見込みである。

 

すでにSEZに進出している企業の担当者は、「今後、実施されるプロジェクトに適用されるのであれば、問題はない。しかし、既存の設備も対象となるのであれば、基準の大半を満たせないだろう。この計画は、コスト面で大きな影響を及ぼすことが予想される」と語っている。

また、コンサルティング会社の専門家は、「計画は、短期的に見ればコスト増などのマイナス面もあるが、長期的には、利益をもたらすものとなるだろう」と語っている。

 

インド商工省は、SEZにおける環境配慮を推し進めるためのガイドライン案を公表している。ガイドライン案へのアクセスは、以下URLより。
http://eouindia.gov.in/epces_cieculars/circular82.pdf

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