マレーシア政府、地下水の利用に対する規制を検討――地下水取水プロジェクトが環境に及ぼす影響を懸念

マレーシアのDatuk Peter Chinエネルギー・グリーンテクノロジー・水資源省大臣は、2009年11月30日、将来の政府機関や民間企業による地下水利用を考慮し、地下水採取を規制する特別法を制定する必要があるとの見解を示した。同大臣は、「地下水は天然資源に分類されるので、地下水の利用を規制する特別法が必要である」と語っている。

同大臣によると、地下水採取のための掘削を所管する機関は、天然資源・環境省の鉱物・地球科学局である。そのため、エネルギー・グリーンテクノロジー・水資源省は天然資源・環境省と協力し、地下水に関する調査を実施するという。

 

この地下水採取に関する問題は、マレーシア国会にて取り上げられている。この議題を取り上げたのは、Datuk Dr Mohamad Shahrun Osman議員であり、同議員は、Perak州で計画されている地下水取水プロジェクトの中止を求めている。同プロジェクトは、マレーシアのコングロマリットであるSime Darbyが地下水を商業目的で利用するためのものであり、2011年のプロジェクト稼動開始が予定されている。

 

現在、同プロジェクトが長期的に環境に与える影響について、政府が調査を行っており、政府はいまだにプロジェクトの許可を与えていない。天然資源・環境省のTan Sri Joseph Kurup副大臣によると、政府は、地下水の商業利用の可能性を検証するための予備調査のみ、許可しているという。同大臣は、「Sime Darbyは、環境に与える影響や対策などに関する詳細な報告書を提出しなければならない」と語っている。また、「Sime Darbyは、地下水の水位や水質、その他環境に及ぼす影響についてモニタリングすることを保証しなければならない」とも語っている。

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