IBM、サウジアラビアの研究機関と共同で淡水化プラントを建設

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IBM社とサウジアラビアの国立研究機関であるKACST(King Abdulaziz City for Science and Technology)は、2010年4月8日、太陽光発電を利用した淡水化プラントの建設に関して共同研究を行うことを発表した。このプロジェクトでは、サウジアラビアのアルカフジ(Al Khafji)に造水能力3万m3/dayの淡水化プラントが建設され、10万人に水が供給される予定である。

2008年2月、IBMとKACSTは、共同研究に関する複数年の契約を締結した。これにより、IBMとKACST の研究者は、IBMが所有するニューヨークとカリフォルニアの研究施設およびリヤド(サウジアラビア)にあるKACST-IBM最先端ナノテクノロジー研究センター(KACST / IBM Nanotechnology Centre of Excellence)で机を並べて研究することになった。今回のプロジェクトには、共同研究によって開発された2つの先進技術“超高効率集光型太陽光発電技術”と“ナノ膜”が利用される予定である。

プロジェクトで用いられる先進技術――高効率集光型太陽光発電技術とナノ膜

(1超高効率集光型太陽光発電
KACSTは、同プラントに電力を供給するため、超高効率集光型太陽光発電(UHCPV:ultra-high concentrator photovoltaic)技術を利用する予定である。UHCPVは、IBMとKACSTが共同で開発した技術であり、太陽1500個分以上に相当する光を集光して、発電を行うことができる。

(2ナノ膜
淡水化プラントでは、IBMとKACSTが共同開発したもう一つの技術である“ナノ膜”が利用される。この膜は、他の方法よりエネルギーを使わずに、塩水に含まれる塩分や汚染物質を除去することができる。

現在、多くの淡水化プラントで逆浸透法が用いられている。しかし、その問題点として、塩素により損傷を受け、また時間とともに有機物や生体分子、粒子等がRO膜に付着して、ファウリングが起こることがある。IBMとKACSTは、耐塩素性を持ち、ファウリングにも強いポリマーを開発し、それによって、選択力を犠牲にすることなく浸透性に優れたナノ膜を開発した。

これらの技術の利用により、省エネルギー・低コストの淡水化技術が期待される。KACSTの副会長であるTurki Al Saud博士は、「現在、淡水化による造水量が世界で最も多いのは、サウジアラビアである。我々は、より低価格で淡水を手に入れるため、投資をし続ける」と語っている。また、IBMでBig Green Innovationsを担当するSharon Nunes氏は、「わが社とKACSTの共同研究は、太陽光発電と淡水化という2つの分野に革新的な技術をもたらした。我々は、これらの新技術を用いて、エネルギー効率に優れたシステムをサウジアラビアのみならず世界中で提供する」と語っている。

IBMとKACSTは、太陽光発電や淡水化技術のほかに、食品や飲料の容器に利用されているポリエチレン・テレフタレート(PET)のリサイクルに関する共同研究を行っている。

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