GEがサウジアラビアの水事業会社と高度な膜技術の導入契約を締結

2010年10月4日、GE(ゼネラル・エレクトリック)がサウジアラビアの水事業の管理会社Miahonaと、急速な発展を続ける同国に最新の水の再利用技術を持ち込む契約を締結した。Miahonaは、同国で水道、廃水処理、地下水開発・処理を専門に事業を展開しているACWA Holding社の傘下にある企業である。

中東における水の貴重さは、いくら高く見積もっても高く見積もり過ぎることはない。それは誰もが認めることである。ただ問題なのは、中東から北アフリカにかけての一帯では、世界の人口の5パーセントが居住しているのに、手に入る水は世界全体の1パーセントにも満たないことである。

今回の契約の狙いは、GEの水技術にMiahonaが持つ地域の水事情に関する知識を結びつけ、以下のような分野においてGEの高度な膜技術を展開することにある。

  • 水再利用
  • Ÿ廃水処理
  • Ÿ廃水再利用
  • Ÿ無廃液プロジェクト

両社は、このプロジェクトのほかに油井注入プロジェクトでも協力をすることになっているが、これは、豊富な石油回収製品のポートフォリオを取りそろえるGEの製品ラインナップにもみごとに収まるものである。

サウジアラビアの水再利用市場は、2009~2016年の売り上げがおよそ34億ドル(約2800億円)、すなわち世界第3位の規模にも達するのではないかと予測されている。現在、この市場は毎年30パーセントを超える勢いで拡大を続けており、2016年には、1日の処理量が220万立方メートルにも達するのではないかと見られている。

GEも、昨年のうちにすでに1000万ドル(約8億1500万円)をかけてサウジアラビアのペルシャ湾岸の町Dammamに敷地面積7500平方メートルのWater & Process Technology Centerをオープンしており、現時点でも800名を超える現地従業員を雇用している。

もちろん、同社にとって、今回のプロジェクトがサウジアラビアで初のプロジェクトに当たるわけではない。同社はこれまでにも発電容量が2.7 GWを超え、水の脱塩処理量も80万立方メートルを上回る世界最大の独立系発電・水処理施設Marafiqを建設しており、サウジアラビアのAl Tamimiグループにも可動式の海水や鹹水の処理システムを納入している。