Siemens、上水道の漏洩検知・モニタリング・システムを開発

Siemens Industry Solutions Divisionはこのほど、Siemens Corporate Technologiesと共同で、水道管ネットワークの漏洩を連続的にモニタリングし、漏洩が発生した場合はその箇所を正確につきとめる技術を開発した。Siwa LeakControlと呼ばれるこのシステムは、流量測定とその結果を評価するソフトウェアによるもので、水道管の太さや種類に関係なく使うことができ、漏洩による水の損失を最小限に抑えるのに役立つ。

水の損失量を正確に知ることは、上水道ネットワークの効率的な運用と保守計画にとってきわめて重要である。水道ネットワークのあらゆる箇所の状態を連続的にモニターすることは不可能だが、たとえば水の損失量などによって、漏洩の兆候を知ることはできる。漏洩を知るにはさまざまな方法があるが、それらはたいてい、常時実施しつづけることはができない。たとえば、水道ネットワークの漏洩箇所から聞こえてくる音を評価する方法がある。だが、この方法だと、年に1度といった一定の間隔を置いて実施するか、どこかで漏洩が疑われるときにのみ実施するほかない。こうした方法では、漏洩が疑われる箇所をただちに検知することは難しいのである。

Siemensが新たに開発したSiwa LeakControl検知・モニタリング・システムはこの困難を克服するもので、漏洩を連続的にチェックするばかりでなく、漏洩が起きた場合にその位置を自動的につきとめることができる。これを可能にしているのが水道ネットワークを細分化した検針領域の設定で、検針領域ごとに、流入水量と流出水量が超音波流量計によって測定される。もちろん、電磁誘導流量計などの既存の測定装置もこのシステムに組み込むことができる。各領域での測定結果は評価コンピュータに送られ、そこで、漏洩の検出とそれがどの領域で起きているかの特定が、統計的手法などを駆使しておこなわれる。領域が特定されると、そこに複数の音響センサーを一時的に設置し、相関器を使って漏洩箇所がメートル単位で正確につきとめるられるという仕組みである。

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