日中農村分散型排水処理モデル事業、中国で順調に展開中

江蘇省泰州市の興華市にある趙家村と董北村で建設が進められ、2009年6月に竣工した2つの中日協力農村分散型排水処理モデル・プロジェクトの施設が、1年間の仮稼動期間を経て中国側に譲渡されることになり、2010年7月21日、関連式典が興華市で行われた。また、同市では、中国国家環境保護部、日本環境省、及び江蘇省の環境関連担当官が出席して、このプロジェクトの評価・経験交流会も併せて開かれた。

興華市の戴南鎮に位置する趙家村と董北村の分散型排水処理モデル・プロジェクトは、1日あたりの排水処理能力がそれぞれ150トンと40トンで、併せて3000人近くの人々が住む2つの村の排水処理費用は、年間3万元(約38万円)程度で済むという。泰州市は、さらに2200万元(約2億8000万円)を投入し、同じ分散型排水処理施設の建設を管轄地域内の10の村で推進する予定である。

このモデル・プロジェクトは、2008年5月に中国の胡錦濤国家主席が訪日した際に、日中両国の環境担当部門のトップが東京で共同調印した「農村地域等における分散型排水処理モデル事業協力実施に関する覚書」に基づいて展開されている共同事業である。同時に、これは、中日両国の環境保全協力重点プロジェクトであり、中国の汚染物質排出削減に関わる重点モデルでもある。このプロジェクトの実施に当たって、両国による専門家チームも発足している。

現在、このプロジェクトは、江蘇省泰州市と重慶市忠県の2つの地域を選定して関連モデル事業を展開しているが、今後、雲南省の大理市、新疆ウイグル自治区のウルムチ市など、ほかの地域でモデル事業を実施することも計画されている。