南アフリカの研究者、水を浄化できるティーバッグを開発

南アフリカのStellenbosch大学の研究者は、水質汚染の影響を受けやすい地域社会のために汚染物質の含まれていない飲料水が簡単に飲める方法を見出した、

Stellenbosch大学の研究チームは、水を飲めるように浄化できるハイテクのティーバッグを開発した。この新しいティーバッグには、南アフリカで人気がある飲み物であるrooibosティーバッグを製造するのに使われているものと同じで、微生物の働きによって分解される物質で作られた小袋が用いられている。ティーバッグの材料の内側は、ナノ繊維のなかに封入されたバイオサイド(殺生物剤)の薄膜でコーティングされているので、病気を起こす微生物は殺される。ティーバッグ自体は、有害な化学物質を除去できる炭素粒で満たされている。ティーバッグは、安価な材料で作られていて、そのコストは約3南アフリカ・セント(約35銭)である。ティーバッグは、約1 Lの水を浄化するとそれ以上の水を浄化することはできない。原材料は、人には無害であり、ナノ繊維は、数日後に分解して環境への影響は残らない。

南アフリカ標準局は現在、このティーバッグ・フィルターの実現可能性を試験している。研究チームは、この試験の後、さまざまな地域社会に展開したいと考えている。同チームはまた、ハイキングやキャンプの旅行にために使われるアウトドア用品としてこのティーバッグを商品化するつもりである。

ティーバッグの発明は、新しいStellenbosch University Water Institute(Stellenbosch大学水研究所)の最初の主要プロジェクトの1つである。この研究所は、南アフリカとアフリカ大陸のそのほかの国々における生活の改善を目的とした学際的なイニシアチブである同大学のHOPE Projectと呼ばれるプロジェクトの一環である。

サハラ以南のアフリカ地域に住む約3億人の人々は、今もなお汚染物質の含まれていない水を使えないと世界銀行は述べた。また、水研究所の微生物学者であるEugene Cloete会長は、「すべての汚染された水路に浄化インフラを建設するということは、まったく無理である。したがって、われわれは、その解決策を人々のところで求めざるをえない」と述べた。