中国政府、湖南省の湘江の浄化計画を承認――重金属汚染が深刻

中国政府はこのほど、重金属に汚染された湖南省東部の湘江の浄化計画を承認した。これは、省レベルの大規模な重金属汚染浄化計画を中国の最高意思決定機関である国務院が承認した初めてのケースとなる。

湖南省当局が2011年3月18日にウェブサイトで公表した浄化プログラムによると、この浄化作業は10年をかけて湘江流域の8都市にわたって実施され、総費用は595億元(約7510億円)と見積もられている。この浄化計画は全部で927件のプロジェクトから成り、鉛、水銀、カドミウム、クロム、ヒ素、その他の重金属が工場から排出されるのを規制して湘江を「東洋のライン」にし、また、中国における重金属汚染浄化のモデルにすることをめざしている。927件の浄化プロジェクトのうちの17件は、省都である長沙の近くの清水塘(Qingshuitang)工業団地一帯を優先浄化地域として実施する。

この計画は、湖南省の第12次5ヵ年計画(2011~2015年)にも組み入れられることになっており、湘江への重金属排出を2015年までに2008年比で70%削減し、2020年までに問題を「基本的に」解決するとしている。

中国各地で深刻な重金属汚染:

湖南省東部はこの10年余りで高度に工業化が進み、そのため、湘江の重金属汚染が飲料水の水源まで汚す結果となり、ひとびとの安全をおびやかすほどの深刻な事態にいたっている。

また、新華社が2011年3月27日に報じたところによると、中国東部の浙江省の台州市でも、蓄電池工場による公害が原因で、子ども53人を含む168人の血液から高濃度の鉛が検出された。このため、工場は操業停止となり、経営者は拘束された。同市の環境保護局の捜査の結果、この工場から法定限度を超える鉛が大気と水に排出されていたことが判明し、地域の住民らは、井戸水を飲んだり工場近くで採れた果物や野菜を摂取したりしないようにとの指示を受けた。

中国ではこの1年ほどのあいだだけで、このような鉛汚染の被害が複数の省で報告されており、その多くは蓄電池工場など、重金属を排出する工場が原因となっている。

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