Siemens、エネルギー効率関連のR&Dプロジェクトを中心に紹介へ――シンガポール国際水週間

2011年7月4日から8日にかけて開催されるシンガポール国際水週間において、Siemensは「変わりゆく都市環境への持続可能なソリューション」という同週間のテーマに沿い、膜バイオリアクター(MBR)プロセスなど、エネルギー効率改善と水再利用の技術に的を絞って紹介することにしている。持続可能性はSiemensの最近の研究開発プロジェクトの主要テーマであり、このテーマを通じて同社は、エネルギーの節約、廃棄物の削減、そしてプロセスの効率向上をめざしている。Siemensはシンガポール国際水週間において、これら研究開発プロジェクトの最新の状況とともに、水の量と質をともに保証し、ライフサイクル・コストを削減するトータル・プロセス・ソリューションの全体像を示す予定である。

Seiemens Water TechnologiesのLukas Loeffler CEOはこう述べている。「われわれの研究開発プロジェクトの進展にはすばらしいものがあり、こうした研究開発の成果を自治体や産業界のリーダーたちと分かち合い、水とエネルギーの節約につなげていくことができるのは、よろこばしいことだ」Siemensの研究開発プロジェクトのうち、最近重要な成果をあげたものとしては、低エネルギー淡水化技術、MBRの新たな設計パラメータを検証するための試験施設、純水製造用の新しいマイクロメディア・カラムなどがある。

Siemensがシンガポール国際水週間で紹介するものには、このほか、MemPulse MBRシステムがある。これは水再利用のための重要な技術で、機械的な仕組みを使ってMBRモジュールに不規則な空気パルスを送り込むことで洗浄効率を上げるとともに運転・保守コストを下げ、従来のMBRプロセスと比べてエネルギー消費量を30~40%削減することができる。このシステムはまた、従来の清澄分離プロセスを膜分離に切り替える必要のある既存のプラントに容易に組み込むことができる。

上下水道の浄水・廃水処理施設の運転コストのなかで、エネルギー・コストは約30%を占める。シンガポール国際水週間で、SiemensはBioFlowsheet+プロセス最適化プログラムなど、エネルギー効率改善に役立つ技術やプロセスを紹介することにしている。このプロセス最適化プログラムでは、エネルギー・コストを大きく削減するために、生物学的処理、固体分離、固形物処理と制御など、廃水処理のいくつかの重要な要素が統合されている。

また、水道ユーティリティは、施設の処理能力を増し、水の連続供給を維持するべく努力をかさねている。SiemensのSiwa製品ファミリーは、上下水道の浄水・廃水処理のために特に開発されたモジュラー・ソリューションで、これは水輸送パイプラインや逆浸透(RO)利用の淡水化プラントにおける装置の電子化に重点を置いた取り組みである。こうしたSiemensの製品ポートフォリオは、パイプライン管理、漏洩検知、自動化、プラントのライフサイクル全体にわたるサービスなど、さまざまなシステムや個々のプロジェクト・ソリューションを網羅している。