インドネシア、バリ州クルンクン県の水道水に大腸菌

インドネシアで、バリ州の保健局がクルンクン県有水道会社の供給する水をランダムにサンプル調査したところ、水道水が有害な株の大腸菌で汚染されていることが判明した。このサンプル調査は、2009年から毎年おこなわれている。今回の調査では4つのサンプルが採取され、そのいずれからも大腸菌が検出された。これについてバリ州保健局のNyoman Sutedja局長は2011年5月23日、「今回みつかった細菌汚染は、クルンクン県の水道水が、人間が飲むには安全でないことを示している」と述べた。

大腸菌は食中毒の原因となることもある危険な細菌で、これが水に含まれているということは、その水が糞便で汚染されている可能性があることを示している。また、一般に水道水が汚染されていると、コレラや肝炎など別の病気の原因となることもある。

原因は未処理水の流入か:

バリ州保健局による水道水の調査では、原因の究明まではおこなわれていない。だが、Sutedja局長は、水道管の漏洩箇所から未処理水が流入した可能性を指摘している。さらに同局長はこう述べている。「最近の豪雨で、未処理水が貯水池に流れ込んだ可能性もある」

保健局はこの水道水調査の結果を県有水道会社や関連機関に公式に通報し、浄水場や配水ネットワークにおける水質のモニタリングと管理を強化するよう申し入れた。

県有水道会社は調査結果に懐疑的:

いっぽう、クルンクン県有水道会社のGede Darsana取締役は州保健局の調査結果に懐疑的である。同取締役はこう述べている。「この件に関してはこれから州保健局と調整する必要があるが、調査結果にはびっくりだ。われわれが毎月実施している検査では、細菌汚染の兆候はすこしも見られていないからだ。水道水がほんとうに汚染されているのであれば、入院患者が急増しているはずではないか」

また、インドネシア・ホテル・レストラン協会バリ支部のPerry Markus事務局長は、今回の調査結果について憂慮しており、この問題に真剣に取り組むよう地方当局に申し入れたと述べた。

そのいっぽうで同事務局長は、今回のことでクルンクン県の観光業、とりわけホテルやレストランが直接の影響をうけることはないとして、つぎのように述べた。「観光施設には水道水をさらに浄化する浄水設備が備わっており、観光客はホテルやレストランの水を飲むかぎり、心配はない」

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