SUEZ Environment、イギリスの水道会社Bristol Waterの株式の70%をカナダのCapstone Infrastructureに売却

SUEZ Environmentは2011年10月5日、イギリスの水道会社Bristol Waterの株式の70%を傘下のAgbarを通じてカナダのCapstone Infrastructure Corporationに売却する手続きを完了したことを明らかにした。売却価格は1億3150万ポンド(約160億7000万円)で、これはBristol Waterの法定資本価値の23%にあたるとともに、2012年の予想純利益の20倍に相当する。

この売却によって、SUEZ Environmentは純負債を3億9100万ユーロ(約421億円)減らしつつ、イギリスの水市場におけるプレゼンスを依然として維持し、成長部門である規制外の、すなわち水道部門以外のビジネスを推進していくことになる。今回の売却後も、SUEZ EnvironmentはBristol Waterの株式の30%を保持し、Agbarを通じてBristol Waterの経営に積極的に関与しつつ、技術面や経営面でのさまざまな助言をつづけていく。

SUEZ Environmentは、今後もビジネス分野においても地理的な面においてもバランスのとれたポートフォリオを維持しつつ、水ビジネスと廃棄物ビジネスのバリュー・チェーン全体を通じて展開をはかり、長期的な戦略を着実に推し進めていくとしている。

Capstoneの狙いはヨーロッパへのさらなる進出とポートフォリオの多様化:

買い手企業であるカナダのオープンエンド投資ファンド、Capstone Infrastructure CorporationのMichael Bernstein社長兼CEOは、今回のBristol Waterの70%買収について、こう述べている。「Bristol Waterは、物価変動とリンクした予測可能なキャッシュフローと、安定したOECD加盟国にあって強い成長力をもつインフラ・ビジネスを確立しており、われわれの現在のポートフォリオを補完するものとしては理想的だ。今回の買収は、ヨーロッパを含めた世界のさまざまな地域へのさらなる進出のための基幹的な投資であり、インフラ分野におけるわれわれのポートフォリオを多様化するものだ。

Capstoneの声明によると、最近、北米、ヨーロッパ、およびオーストラリアの年金ファンドその他の機関投資家の多くが、水道ユーティリティのもつ安定した長期的なキャッシュフローと成長力に惹かれて水インフラ部門への投資を増してきている。世界的に見ると、水インフラ全体では年平均で7720億ドル(約58兆6000億円)の投資が2015年までに必要になると見られている。

Bristol Waterについて:

Bristol Waterは約110万人に上水を供給する水道会社で、2011年3月決算の年間売り上げは1億1600万ユーロ(約125億円)だった。Bristol Waterの営業成績はきわめて良好であり、また、水質、漏洩量の低減、水圧レベル、検針、および顧客対応の点で、イギリスの水道規制当局であるOfwatの基準を上回っている。2010年から2011年にかけて、Bristol Waterは顧客満足度で5位にランクされた。

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