Suez Environment、Wonthaggi海水淡水化プラント建設プロジェクトが難航

2011年10月26日、豪メルボルンにおけるWonthaggi海水淡水化プラントの建設プロジェクトにおいて、建設作業員の問題や悪天候の影響などによる期限超過により、1億8500万ユーロ(約190億円)の罰金がSuez Environmentに課せられたことが明らかになった。

2009年に建設が着工された同プラントは、1日あたり45万m3の海水を汲み上げ、16億ユーロ(約1670億円)の収益をもたらすものと見込まれていた。しかし、その建設計画は作業員の先延ばしによる慢性的に低い労働生産性が原因で行き詰っていた。Suezによると、プラントの完成率は81%で、悪天候も建設の遅れの一因となっているという。Suez Environmentの最高経営責任者であるJean-Louis Chaussade氏は、2011年の9月までにおける進捗状況はメルボルン発生した自然災害の影響を除いたとしても予想外であったが、第3四半期は経営改善を図っていくという。

Suezは水・廃棄物処理市場でライバル関係にあるVeoliaに降りかかった多くの困難を回避しようとしている。Veoliaは米国、イタリアそして北米事業におけるトラブルで8億ユーロの評価損を計上した。欧州の経済危機により大規模製造業者はそのプラントを閉鎖し、支出を削減しているため、SuezやVeoliaは必ずその影響を被ると警鐘を鳴らす評論家もいる。しかし、同社の経営状況を左右する水・廃棄物事業の力強い成長に確信を持っているとChaussade氏は語っている。

Suezはその収益の大部分を大口顧客から得ており、2008年から2009年にかけての景気後退による影響を受けていた。いっぽう、第3四半期までの売り上げは、昨年の同時期と比較し8.3%増の109億8000万ユーロ(約1兆1430億円)であった。EBITDA(税引き前利益に支払い利息と減価償却費を加算したもの)は9.2%増の1兆8450億ユーロ(約192兆円)であり、もし今回の損害がなければEBITDA は18%高かった。

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