多くの米国人が再生水利用を支持――GEによる調査

GEは2012年10月23日、米国、中国、シンガポールで一般市民3000人を対象として実施された水の再利用に関する意識調査結果を発表した。それによると、多くの米国人(66%)は、水の再利用に積極的な姿勢を示していることがわかった。いっぽうで、トイレの水を飲料水として再利用することには80%の米国人が難色を示した。このことから、米国では水不足の深刻化に伴い、市民が農業、灌漑、発電、造園、工業プロセス、水洗トイレ、洗車など、飲料水以外での水使用、すなわち“toilet-to-turf”としての水再利用を支援する傾向にあることが示された。

GE water and process technologiesのHeiner Markhoff氏は次のように語る。「人口増加、急速な工業化や加速化する都市化が、水不足を引き起こしている。水の再利用に関する意識や問題をより良く把握するための本調査では、我々が想像していたよりも多くの人々が水の再利用を支持していることがわかった。これは、多くの米国人が再生水の価値を理解しているということだ」。その他の調査結果は以下のとおり。

  • 米国人の83%が水不足、および水質悪化について懸念を抱いている。
  • 米国人の70%は、再生水の利用を増すことで、他国よりも競争力を確保することができると考えている。
  • 米国人の51%は、再生水のスイミングプールで泳ぐことに抵抗がなく、30%が飲料水としての利用に積極的であった。また、51%が飲むことも可能という認識を示した。
  • 水の供給システムについての理解が深い人ほど、再生水の飲料水としての利用に柔軟な姿勢を示した。
  • 米国人の44%は、将来の世代が水不足による損害を避けるためには、それが水道料金に直ちに反映されることを厭わないとしている。
  • 再生水の利用先としては発電が最も高く、87%の米国人が好感を示した。

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