ベトナム政府首相は、2013年3月29 日、工業廃水と生活廃水を含む「排水に対する環境保護費用」に関する政令第25/2013/NĐ-CP号（以下、本政令）を公布した。本政令の対象は、工業廃水または生活廃水を排出している個人および組織であり、対象者は環境保護料金を納めることとなる。特に、重金属含有廃水と重金属非含有廃水の2種類の工業廃水に対する環境保護料金についても、詳細に規定している。本政令は2013年7月1日に発効する。
以下の6つのケースは、環境保護料金納付の対象外となる。
- 水力発電所から排出されている水、または環境中に排出されずに工場などで循環される水
- 塩の製造に使われた後に排出される海水
- 水道価格に関して政府の国庫補助制度の対象となっている地方における、各世帯からの生活廃水
- 上水道が整備されていない地域における、各世帯からの生活廃水
- 設備および機械の水冷に使われる水（ただし、環境汚染につながる物質に接触していなく且つ独立した排水経路を有しているもの）
- 外部に流出する雨水
納付された環境保護料金は国家予算として計上され、例えば、納付コストに掛かる費用に充てられる。また、財務省と資源環境省の規定に従い、工業廃水に対する定期検査または緊急検査のための排水の分析、評価の費用としても使用される。そして、残りは地方予算に計上される。地方当局は、環境保護事業や排水による環境汚染の制限および防止活動のための予算として使用する。また、水資源の汚染を改善するための技術などにも使われる。
本政令は、排水に対する環境保護料金に関する政府の2003年6月13日付政令第67/2003/NĐ-CP号、2007年1月8日付政令第04/2007/NĐ-CP号、2010年3月22日付政令第26/2010/NĐ-CP号に替わるものとなる。
