欧州委員会、地下水指令で規制されている物質リストの変更に関する意見募集を開始

欧州委員会は2013年7月30日、地下水指令(2006/118/EC)によって規制されている汚染物質リストを修正するかどうかについて意見募集を開始した。同指令第10条では、科学的・技術的な進歩に伴い、同指令の附属書Iおよび附属書IIを6年毎に見直さなければならないことが規定されている。意見募集は2013年10月22日まで実施される。

同指令では、附属書Iにおいて現在、硝酸塩(50mg/L)および農薬に含まれる活性物質(0.1μg/L、物質の合計の場合は0.5μg/L)の環境基準が規定されており、EUで統一した基準値が設定されている。オーストリア環境局が作成した報告書によると、加盟国の流域管理計画は、地下水の化学的状態を低下させる主要な汚染物質として硝酸塩と農薬をあげており、附属書Iで欧州全域の問題を解決できるとしているが、近年データが集まりつつある新物質についても検討する必要があるとしている。

附属書IIに関しては、規定されている物質の閾値の同等性についても変更が必要かどうか検討される。附属書IIのパートAでは、各加盟国が汚染物質の閾値を決定する際のガイドラインが規定されているが、これに基づいて設定された各加盟国の閾値にはばらつきがあり、2015年までにすべての水域を“良好な状態”にするという水枠組み指令(2000/60/EC)の規定を遵守できなくなることが懸念されている。
さらに、附属書IIのパートBでは、加盟国が最低限閾値を設定しなければならない物質のリストが記載されているが、これらの物質のうち、附属書Iへ移行する必要がある物質があるかどうかの検討も行われる。

その他、附属書IIのパートCで規定されている報告規定の見直しも行われる。現在、加盟国によってその解釈が異なっており、提出されるデータにばらつきがあることが指摘されている。

意見募集のウェブページ:
http://ec.europa.eu/environment/consultations/groundwater_en.htm

オーストリア環境局(Umweltbundesamt)による報告書:
http://ec.europa.eu/environment/consultations/pdf/background_groundwater.pdf

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