多国籍企業を初めとして高まるアフリカ水市場への投資熱――アフリカ市場の将来性を確信

2013年10月14日~17日にケニアのナイロビで開催された「国際水協会(IWA:International Water Association)開発会議および展示会」の場で、複数の企業幹部がメディアに対してアフリカの水市場についての楽観的な見通しを示した。黎明期にあるアフリカの水ビジネスが、これまで都市部や地方において水へのアクセスを向上させるインフラ・プロジェクトに大規模な投資をしてきた多国籍企業を惹きつけていると見られている。

さらなる投資獲得には、事業の適切な再編と財政面の管理強化が必要

オランダを拠点とするVitens Evides International社*のプロジェクト・ディレクター、Siemen Veenstra氏は次のように語った。「多くのアフリカの国々は、経済的・政治的改革のおかげで、投資家たちの信頼を取り戻しています。各国政府が市民のニーズに対して敏感さを見せるにつれ、ファンドマネージャーらは清潔な水や衛生といった基本的なサービスへの投資合戦に参入しています」

* Vitens Evides International:ともにオランダの水道会社大手Vitens社とEvides社が、蓄積された豊富な専門知識を提供するために2008年に設立した合弁企業。世界各地の地元企業とパートナーシップを組み、特にアフリカで水へのアクセスを拡充するための多くのプロジェクトを展開している。

同社はこれまでアフリカの都市に大きく重点化した投資を行ってきた。「Vitens Evides Internationalは、アフリカとアジアで10年間にわたって事業を展開してきました。私たちは水道事業者が事業のパフォーマンスを向上させる支援をしています。また同時に水の損失を減らすための資産管理と補修業務も、我々が力を入れている分野です」とVeenstra氏は語る。同社はマラウィ、モザンビーク、エチオピア、ウガンダ、ガーナ、そしてルワンダにおいて地元企業の事業の再設計を支援し、強力な存在感を示している。「ケニアでは我々は、Naivasha、Nakuru、Kisumu、そしてMombasaといった上下水道会社と連携し、彼らが提供するサービスを向上させるための技術的支援を提供しています」とVeenstraは語る。

アフリカの水道事業者らが民間投資を惹きつけるためには、事業を再編し、多額の収益損失につながる抜け穴を塞ぐことが必要だと彼は強調する。「アフリカの水産業の将来は、各国政府が長期にわたって公共分野の改革を継続していくならば明るさを保ち続けるでしょう。アフリカ大陸のあらゆる水事業者は、銀行にアプローチしてインフラへの投資を獲得するため、財政的な管理を強化する必要があります」

OPEC加盟国によるファンドはアフリカの水アクセスへ資金提供を拡大、これまでには20億ドルを投下

多国籍企業の経営者たちは、家庭・産業界が抱える水に対する高い需要に牽引されるアフリカの水市場が急速な成長を遂げることを確信している。オーストリアを拠点とする OPEC Fund for International development(OFID) は、アフリカ大陸の持続可能な開発を拡張するため、アフリカの給水インフラへの資金投下の規模を拡大する意向であるという。OFIDの資金提供ユニットのヘッド、Rachid Bencherif氏は、OFIDがすでにアフリカの水、衛生、灌漑プロジェクトに対し20億USD(約2000億円)を投じたことを明らかにした。彼は次のように語っている。「我々はアフリカ各地の農村部、都市部双方における水へのアクセスを拡張するため、実績をもつ公共の水道事業者に資金を提供しています」
彼はまた、OFIDの資金提供は、持続可能な開発に対して、経済的開発、社会的保護、そして環境の保護という3本の柱で取り組んでいくものであることを強調した。「我々の資金提供の優先順位を決定するものは、水・食糧・エネルギーの連環(water food energy nexus)なのです」

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