GWP、北米地域部門を設立――メキシコ地域部門と統合しアメリカ大陸での事業を強化

ドイツのジャーマン・ウォーター・パートナーシップ(GWP)は2013年11月、北米地域部門を設立し、北米に進出することを発表した。GWPではこの北米地域部門に既存のメキシコ地域部門を合併し、この地域での事業活動を強く推し進めていくとしている。

北米地域部門の設立により北米市場の可能性、販売チャネルを探る

GWPは、グローバルな事業活動において、米国とカナダから得られる収益の重要性が益々高まっているとした上で、北米地域部門(カナダおよび米国)設立の目的について、メンバーによる現在の活動を集中・強化し、当該地域における水処理における課題を明らかすることで、地域の産業、研究ネットワークを拡大することと説明した。またその他、同地域の市場のもつ潜在的可能性、および開拓可能なチャネルを明らかにし、サービスおよびマーケティングのコンセプトを構築することも予定しているという。GWPは北米地域部門とメキシコ地域部門の合併により、その競争力と経験に基づく知見がさらに強化されるとしている。

同地域部門のトップは独ポンプ大手KSBのDirk Ruppert氏が選任された。また、副部門長として市場開発コンサルティング大手AHP InternationalのStefan Peikert 氏が米国を所管し、空気圧機器大手FestoのArmin Mueller氏がメキシコを担当することとなった。Armin Mueller氏は次のように述べている。「北米地域部門の設立は、アメリカ大陸におけるGWPの地位を高めるためのものであるとともに、この巨大な水市場の重要性を反映したものです。メキシコ地域部門との統合は、すでにNAFTA加盟各国とともにビジネスをしている、あるいはそれを計画しているGWPのメンバーに、シナジー効果と新たな刺激をもたらすことでしょう」

2012年から米独水技術イニシアティブを開始、建設サイトのツアーなどを展開

2012年以来、GWPは人脈の構築と様々な活動への参画を続けてきた。2012年秋には独米商工会議所(GACC)が米独水技術イニシアティブと呼ばれる取り組みを開始している。このイニシアティブは米国-ドイツ間の水分野におけるノウハウ、技術、および事業の交流を促すプラットフォームを提供するものである。GACCの招待を受け、GWPも2012年独米水関連技術交流週間に参画している。

2013年のベルリン国際「水」専門見本市・会議(WASSER BERLIN INTERNATIONAL 2013)にGWPが出展した共同ブースには、米国の買い手がミッションを組んで訪れた。来場者には、革新的な水関連技術およびインフラに関する情報交換会、GWPのメンバーとの直接顔を合わせてのミーティングの他、ベルリン地区の建設サイトへのツアーが提供された。そのツアーはドイツ連邦経済技術省による支援を受け、GWPがパートナーとしてオーガナイズしたものだった。2013年6月のGWPの年次会合では、新たな市場とビジネスの開発の機会について議論がされ、カナダと米国からの要職らがその円卓会議に加わった。さらに2013年10月、在米ドイツ対外商工会議所(シカゴ)とGWPはミルウォーキーにおいて食品および飲料業界における工業用水の管理に関する円卓会議を開催し、GWPの専門家らが協議を行った。

2012年から米独水技術イニシアティブを開始、対米活動を活発化

またカナダの市場については、GWP は現在オンタリオ地域に拠点を置くWaterTAP社との間で水管理プロジェクトにおける協力を促し、加速するための協力を進めている。この協力関係の重要な側面の一つは、海外からもたらされる革新的なソリューションの統合である。GWPはこの他にも、カナダおよび米国にミッションを派遣し、地域の関連機関との協力を強化するなど、人脈を深め維持するための取り組みを計画しているという。

なお、GWPがすでに進出している国は下図の通りである(濃い青色がそれに該当)。

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図 GWPがすでに地域部門を設立した国
出典:GWPのホームページ

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