米国上院議員、化学物質貯蔵施設による汚染から飲料水を保護するための新法案を提出

2014年1月9日、米国ウェストヴァージニア(WV)州で工場の貯蔵タンクから化学物質が河川へ流出する事故が発生したことを受けて、同月27日、Joe Manchin、Jay Rockefeller(ともに民主党、WV州選出)、およびBarbara Boxer(民主党、カリフォルニア州選出、環境・公共事業委員会委員長)の3名の上院議員が「2014年の化学物質安全・飲料水保護法(Chemical Safety and Drinking Water Protection Act of 2014)」案を上院に提出した。
この法案の概要は、次のとおりである。

  • 安全飲料水法(SDWA)に「第G部–化学物質貯蔵施設(CSF)による汚染からの地表水の保護」を加えてSDWAを改定する。
  • WV州の上水道を汚染した1月の事故のような化学物質の流出を防ぐ州政府の能力強化を目的としている。
  • この法案は以下の4つの主要方針に基づいている。
  1. 州による地上CSFの定期的な検査を求める。
  2. 地上CSFのグッドデザイン、建設、および保守に関する基準を満たし、貯蔵施設のインベントリと貯蔵されている化学物質に関する情報を提供し、州政府が承認した緊急時対応計画を作成し、従業員の訓練・安全計画を作成することを産業界に求める。
  3. 緊急事態対応で発生したコストの回収を州政府に認める。
  4. 上水道事業者が緊急事態に対応するための手段と情報を確実に有しているようにする。
  • 「対象化学物質貯蔵施設(covered CSF)」は、化学物質が貯蔵され、米国環境保護庁(EPA)あるいは州政府が、化学物質が放出されれば公共用水施設に危害を及ぼすリスクがもたらされると判断した施設と定義されている。
  • 州政府のプログラムには、グッドデザイン、建設、あるいは保守に関する許容基準、緊急時対応・通信計画、従業員の訓練・安全計画など、対象CSFに関する一定の必要最低要件が含まれていなければならない。
  • 対象CSFは、貯蔵されている化学物質の潜在毒性、貯蔵化学物質の放出による悪影響を限定するための予防措置などについて、EPAや州政府の当局などに届け出なければならない。また、対象CSFは、3~5年に1度、検査を受けなければならない。
  • EPAあるいは州政府に対し、対象CSFの所有者あるいは運転者に本法案の要件を実行するよう命じる権限を与える。
  • EPAあるいは州政府は、公共用水施設に対し、施設と同じ流域内にある対象CSFの緊急時対応計画に関する情報を提供するものとする。

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