カザフスタン、2040年までの水資源管理を定めた国家プログラムを承認

カザフスタンで、2013年12月24日、同国の2014~2040年までの水資源管理プログラム案が政府に提示され、審議ののち多数決で承認された。同プログラムはナザルバエフ大統領の委託を受け、「戦略『カザフスタン2050』」(*)を実現するナショナルプランに沿って作成されたものである。

カザフスタンでは、2040年には人口が2080万人に達し、工業生産も年間4%上昇すると推定され、さらに農業用水の年1.6%の増加を加えると、同国の水需要は現在の160億m3から2040年には250億m3となることが見込まれている。

水資源管理国家プログラムでは、この予想される水不足に以下のように対応する。

現在供給水量の66%が有効利用されていない。灌漑システムの現代化によりこれを27%に抑え、年間110億m3以上を節水。

水の再利用システムの導入により損失を40%から19%に削減し、年間10億m3を節水。

インフラと浄水システムの現代化で損失を58%から19%に抑え、年間3億m3を節水。

現在、国内の水道管は主要管部分で40%、分管部分で38%が修理を要する。水質に関しては88ある貯水池のうち「清浄」と認められたのはわずか13か所であり、貯水池の浄化と点検が予定されている。また上下水道の水質基準も見直される。

水道料金は供給コストを下回っており、民間にとって投資の魅力がなく、インフラ管理の効果も上がらない。特に農業用水価格は世界水準が17セント/m3に対し1セント/m3と非常に安い。修理を行う技術者も資金も不足している。

2040年までに水道事業の現代化には総額8兆2000億テンゲ(約5兆5000億円)の資金が不可欠で、うち5兆4000億テンゲ(約3兆6000億円)は公的予算、残り2兆8000億テンゲ(約1兆9000億円)は民間の資金と国際機関からの貸付金で賄われる。節水を促すため、またインフラ更新の費用を賄うためにも、全ての利用者に対して水道料金を定期的に見直していくこと、優先的に行う事業を決定するために省庁間委員会を設置すること等が提案されている。

(*)2012年に発表された、カザフスタンの長期的経済政策

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