Veolia Waterの元社員、給水停止措置の許否を理由とする解雇を不服として提訴

フランスではLibération紙など複数のメディアが、Veolia Waterの元社員であったMarc Fazio氏(ヴォークリューズ県アヴィニョン在住、49歳)が2014年3月6日、同社による解雇を不当として労働裁判所に提訴したことを報じている。Fazio氏は1994年にVeolia Waterに入社し、2005年から給水停止措置に係る業務を担当していたが、2009年以降、水道料金を支払う能力のない人たちへの停止措置の実施を拒否し続けてきた。これに対して同社は、職務不履行を理由に2013年4月4日付で解雇を通告した。

Fazio氏は「それでも当初は現場に一定の自由裁量権があり、支払い能力のない顧客と交渉することができた」としている。その場合、同氏は、料金課に支払い期限の延期を要請するか福祉課に相談するよう顧客に助言していたという。「その後、彼ら(会社側)は、私が現職にあるのは社会福祉活動を行うためではなく会社命令を履行するためであると、圧力をかけるようになった。私は繰り返し配置転換を求めたが認められなかった。給水停止措置を強行するよりも、私は顧客と対話したかったのだ」と同氏は心中を語った。

Fazio氏の担当弁護士も「2009年に彼は(給水停止措置を)止めた。なぜなら、気持ちの上でも人道的観点からも、もはやそのような職務を履行することに耐えられなかったからだ」と同氏の心情を代弁し、「解雇を回避する手段はいくらでもあったが、会社は見せしめのために彼を解雇したのだと、私は考えている」とVeolia Waterを糾弾している。

これに対してVeolia Waterは、解雇決定に至るまでに月額300ユーロ(約4万2000円)の特別手当や月給の60ユーロ(約8400円)増額などの交換条件を提示したと抗弁し、Fazio氏がそれらをすべて拒否した上で一方的に職務を放棄してしまったと主張しており、同氏の復職を認める意思はないとしている。Fazio氏は、解雇が確定した場合、Veolia Waterの社員として定年まで勤め上げていれば得られたはずの給与の総額に相当する36万ユーロ(約5040万円)を請求する意向である。

この裁判の判決は5月22日の予定である。

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