メキシコ大統領、2014~2018年水資源国家プログラムを承認する政令公布

メキシコ大統領は2014年4月8日、2014~2018年水資源国家プログラム(PNH)を承認する政令を公布した。2013年5月20日公布の政令で承認された2013-2018国家開発計画(PND)の一環として、水分野の統合的な改革と近代化によりメキシコにおける水資源の確保と持続性の達成を目標とするもので、総合的な改革には、水資源や管理に関わる法的枠組みの改正、水資源管理機関の改革、融資システムの改革などが含まれる。また近代化の対象及び目標としては、水資源や管理に関する政策、水資源測定システム、水資源に関する情報システム、水資源の総合管理システム、気候変動に対する水分野の適応性、国際社会における水分野でのメキシコのリーダーシップが挙げられている。

メキシコの人口は、1950年には2580万人だったのが、2013年の推定では1億1840万人と急激に増加しており、近年増加率は減少傾向にあるものの、2050年には1億5080万人に達すると予想されている。人口の増加にともない、1人当たりの水の利用可能な量も減少を続けている(下図)。

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図 メキシコの人口および1人当たりの利用可能な水の量の推移

2012年12月末現在、飲料水普及率は92%、下水道普及率は90.5%を達成しているが、900万人(うち500万人は農村部)は飲料水へのアクセス、1100万人(うち7800万人は農村部)は下水道設備を享受していない。また飲料水の30~50%はその供給網で、配水管老朽化、水圧管理不足、水の消費量の多い家電の使用などで喪失している。また人口の77%及びGDPの79%の経済活動が集中している北部及び中央部の水資源は、国土全体の32%に過ぎない。

PNHでは、具体的に以下の6つの目標が掲げられている。

  1. 水資源の総合及び持続可能な管理の強化
  2. 旱魃や洪水に耐える水域保全強化
  3. 上下水道普及強化
  4. 水分野の科学技術向上
  5. 灌漑用、発電用、工業用、観光用の水の確保
  6. 国際的な取組みへの参加

なお、メキシコでは、2012年2月の憲法第4条改正により、全ての国民に安全で十分な家庭用水へのアクセスや使用権が保障されることが明文化されている。

2014-2018年水資源国家プログラムは、以下のサイトからダウンロード可能(スペイン語表記)。
http://dof.gob.mx/nota_detalle.php?codigo=5339732&fecha=08/04/2014

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