中国環境保護部、2014年7月1日施行される「湖北省水質汚染防止条例」の5つの注目点を解説

中国環境保護部(MEP)は、2014年2月12日、自ら発行する「中国環境報」の中で、2014年7月1日に施行される「湖北省水質汚染防止条例」における5つの注目点について、次のような解説文を示した。

1. 違法な汚染排出を厳罰に処する

(1)「立法法」「行政処罰法」「水質汚染防止法」などと矛盾しない範囲で厳重に処罰し、上限による処罰、「日ごとの処罰」を行う。
(訳注:「日ごとの処罰」とは、処分を受けてからも是正を行わない事業所や個人に対して、日数によって毎日について処罰を行い、期間と金額の上限を設けずに是正が行われるまで処罰し続けることを言う。)

(2) 水域に直接的または間接的に汚染物を排出する新設、改築、増築の建設工事及び水上施設については、法に基づく環境影響評価を受けず、勝手に着工した場合は、環境保護担当部局が違法行為の停止と期限付きの是正を命じ、10万元以上20万元以下(約170万円以上340万円以下)の罰金を課する。

(3) 飲食、洗浄、洗車の事業を行う者が汚水を水域に直接に排出する場合は、環境保護担当部局が違法行為の停止を命じ、期限付きで是正を命じ、違法所得を没収し、2万元以上5万元以下(約34万円以上85万円以下)の罰金を課する。違法の程度が甚だしい場合は、営業停止を命じ、営業許可証とその他の許可証を取り消す。

(4) 秘密裡にパイプを敷設して汚染を排出し、または管理から逃れるその他の方法で水質汚染物を排出した場合は、環境保護担当部局が期限付きで撤去を命じ、10万元(約170万円)の罰金を課する。期限までに撤去しなかったときは、法により強制的に撤去し、撤去費用は違法者の負担とし、30万元以上50万元以下(510万円以上850万円以下)の罰金を課し、県クラス以上の人民政府に営業停止による整頓命令を要請する。

2. 環境責任を終身追及する

(1) 水質汚染防止について、政府の行政首長の責任制、目標責任制、水質環境被害責任の終身追及制を実行する。

(2) 県クラス以上の人民政府は、毎年、同クラスの人民代表大会とその常務委員会に、当該行政区域の水質汚染防止業務の報告を行わなければならない。

3. 下流地域への補償は真剣に行うべし

(1)省の人民政府は飲用水水源保護区、河川、湖沼、ダム上流地域及び重点エコロジー機能区域についての水環境エコロジー保護補償規定を制定すべきである。

(2)他の地区との境界における水質汚染物数値が基準値を超過している市(州)、県(市、区)の人民政府は、効果的な措置をとって汚染物排出量を削減し、境界を出る場所での水質が基準値を満たしているようにしなければならず、下流で悪影響を受ける地域の人民政府に対して補償をしなければならない。

4. 環境公益訴訟を支持する

水質を汚染し社会の公共の利益に損害を与えた行為に対して、法律に定められた機関と関係組織は、人民法院に訴えを起こすことができる。法的支援機関は、水質汚染公益訴訟及び経済的に困難な市民が水質汚染の損害について賠償請求をした事件について法的支援を与えなければならない。

5. 大衆の参画を積極的に奨励する

(1)市民は、関係の規定に基づき、政府及び関係部門に申請し水質環境の情報を入手することができる。関係部門は法に基づき回答をしなければならない。

(2)水質環境汚染により損害を受けた市民、法人、その他の組織は、法に基づき汚染者に侵害停止、妨害排除、危険除去、原状回復、損害賠償など民事権利侵害責任を引き受けるよう要求することができる。

(3)市民は水質環境保護の政策決定活動について意見と提案を出すことができる。

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