中国、国内河川の汚染状況をまとめた調査結果が公表される――河川水から検出された抗生物質は68種類にも及ぶ

中国の研究者らが共同で、2014年4月28日、国内の河川の汚染状況をまとめた研究結果を発表した。それによると、製薬、病院、家庭、農業、畜産からの排水の処理が不十分であるために、河川水から大量の薬剤およびパーソナルケア製品(PPCPs:pharmaceuticals and personal care products)の成分が検出されているという。この調査は華東理工大学、同済大学、および、清華大学の研究者らによって実施されたもので、独自のフィールド調査によるものではなく、既存データをまとめた総括的な研究である。

この研究成果によると、158種類にもおよぶPPCPsの成分が過去に確認されたことがあるという。最も多く検出されていたのは抗生物質で全68種類にのぼり、鎮痛剤、ホルモン剤、抗凝血物質、および、消毒剤がそれに続く形となった。

検出された汚染物質は、獣医用薬剤や農業で使用されるホルモン剤はもちろんのこと、パーソナルケア製品、化粧品、処方薬、市販薬由来のものもあった。地域別では、最もPPCPsの濃度が高かったのは中国南部の珠江(Pearl River)で、それに続くのが遼河(Liao River)、長江、黄河である。

その他、家庭や畜産からの排水においてPPCPsの成分を除去するうえで、中国における現行の排水処理プロセスは効果的ではないことが、この研究では指摘されている。

なお、本調査結果は以下のURLより閲覧可能である。
http://csb.scichina.com:8080/kxtb/CN/abstract/abstract513832.shtml#