米テキサス州グレアム市、水不足対策で飲用水再利用を検討

テキサス州グレアム市の議会は、下水の再利用が最も効率的で費用対効果性も最も高い水資源節約の手段だとの助言をうけて、その方向で検討をはじめている。

グレアム市の幹部らは、現在の水不足の状態が今後もつづくようであれば2016年までにグレアム湖以外の新たな水源が必要になるとの助言を、あるコンサルタントからうけた。そこで、市議会は現在、水再利用プロジェクトを可能にする方向で検討をはじめている。

グレアム市のDavid Casteel公共事業課長はこう述べている。「われわれのコンサルタントの話では、このままいくと18ヵ月ないし20ヵ月のうちに対処が必要だという。3つのオプションを検討したが、そのどれをとっても、実施におよそ18ヵ月かかる」

間接的飲用水再利用も選択肢のひとつ

グレアム市は、処理済みの下水を近隣の石油会社や農家に売却する許可がテキサス州環境質委員会からおりるのを待っているところだった。しかし、市の幹部は、間接的飲用水再利用プロジェクトによるリサイクル水の利用を拡大することも視野に入れている。

これまでも、地下水のこれ以上の利用は現実的ではないと考えられてきた。グレアム市の水資源が減少をつづけるなか、Casteel課長は、何らかの計画を進める決定を早急にする必要があるとして、水再利用プロジェクトにとりかかるための議決を早期におこなうよう市議会議員らにはたらきかけている。

いっぽう、テキサス州環境質委員会は最近、オクラホマ州との州境に近いテキサス州ウィチタフォールズ市に対し、飲用水再利用プロジェクトの開始許可をあたえた。

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