CG/La社、今後3-18ヶ月でラ米で開始する水インフラプロジェクトは合計US$176億にのぼり、水インフラは有望市場との位置付けを発表

2014年6月10-12日にCG/LA Infrastructure社の主催でコロンビアのカルタヘナで開催された第12回インフラプロジェクト・リーダーシップフォーラムで、同社による報告書「ラテンアメリカTop100戦略プロジェクト」が紹介された。それによると、今後3-18ヶ月にラテンアメリカで開始する水インフラプロジェクトへの投資総額は、合計176億ドル(約1兆7900億円)にのぼる。

CG/LA社によれば、現在大きな下水処理プロジェクトへの投資が決まっているのはチリだけであり、中南米の他の国では汚水処理への投資はまだ少ない。水インフラプロジェクトは、国の競争力強化とGNPに大きく貢献するものであり、水インフラへの投資を最優先すべきであると、フォーラムで強調した。またラテンアメリカ開発銀行CAFは、2030年までに上水道普及率を99%とし、下水道普及率を94.4%とする為には、投資を現在の3倍の、GDPの0.31%に相当する年間125億ドル(約1兆2700億円)にする必要があると述べている。中南米では上水道普及率90%が達成されているが、そのうち4分の1は粗末で供給も不安定なものである。また、下水が処理されているのは全人口の30%以下である。

報告書「ラテンアメリカTop100戦略プロジェクト」では、中南米における100の主要インフラプロジェクトがランキング(※)されているが、そのうち水分野に関するものとして、以下が挙げられている。

 

ランク第1位:チリ北部への配水パイプライン敷設

チリ中央部第VII州から北部の鉱物資源開発企業への、地下配水パイプライン1600km敷設プロジェクト。フランスのVinciグループとPPPによるFundacion Chileが推進しているもので、鉱物資源開発向けの淡水化プロジェクトよりも安くつくとされている。プロジェクトは3段階に別れており、第一段階では5m3/秒を第VII州から第III州に輸送、第二段階で第III州から第II州のアントファガスタまで10m3/秒で輸送、第三段階で第I州のイキケまで5m3/秒で輸送する。現在はフィージブルスタディ段階で、US$150億(約1兆5255億円)の投資が予定されている。

 

ランク第8位:リマ市の飲料水供給プロジェクト

水源地からアンデスを越えて水を輸送する為の10kmのトンネル建設及び、浄水場の能力の5m2/秒への拡大、25.6kmの配水菅及び既存の排水管網接続ライン建設、1.2億m3貯水する為のダム拡張を含むプロジェクト。2014年10月にRFPが予定されており、投資額は4億ドル(約406億円)。

 

ランク第28位:ボゴタ市汚水処理場プロジェクト

ボゴタ市の汚水処理場の処理能力を、4m3/秒から8m3/秒へ拡張するプロジェクトで、現在の一次処理プラントの二次処理プラントへの改造を含む。入札が終わり、4.9億ドル(約498億円)の投資が予定されている。

 

その他ランク入りしているもの及び投資額は、以下の通り。

  • 第16位 エクアドルの飲料水プロジェクト。計画中。1.9億ドル(約193億円)。
  • 第29位 ペルーのアマゾン地区の水道管敷設。事前審査段階。6500万ドル(約66億円)。
  • 第81位 コスタリカの下水処理場拡張。融資取得済み。2億ドル(約203億円)。
  • 第99位 アルゼンチン飲料水プロジェクト。承認済み。1.2億ドル(約122億円)。

 

「ラテンアメリカTop100戦略プロジェクト」は、以下のサイトでダウンロード可能。
http://www.cg-la.com/documents/LALF12/2014StrategicTop100LAENG.pdf

 

(※)ランキング評価基準:

評価の比重 項目
40% 政治的な目的のプロジェクトではなく、真の意味で国の発展につながるかどうか
20% パブリックセクターの技術力やプロジェクト遂行能力、国内EPC企業のレベルなど8つの基準で規定した国の1~10までのポイント(一番高いチリが9で、一番低いベネズエラは0.25)
10% 生産性を高めたりコストを削減するなど、国の競争力を高めるのに貢献しているかどうか
10% どのくらの雇用が創設出来るか
10% 民間セクターにビジネスチャンスがあるかどうか
10% 環境や低炭素社会に貢献するかどうか

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