中国政府、水質汚染防止行動計画を正式決定へ――企業にとってはリスクとビジネス・チャンスの両面

中国では、広範な対策を盛り込んだ水質汚染防止行動計画が、早ければ2014年7月にも国務院で正式決定されると見られている。2014年6月に上海でひらかれたAquatech China 2014の併設イベント、産業リーダー・フォーラムで、この行動計画が産業界におよぼす影響について参加者からさまざまな見解が示された。

それによると、繊維、化学、食品・飲料などの水集約型産業は、すでに規制強化を見越して備えをはじめているという。いっぽう、水処理技術関連の企業は、向こう数年間に見込まれる4兆元(約65兆円)規模の水インフラへの投資を大きなビジネス・チャンスと見ている。

中国ではまた、大気汚染防止に関するこれと同様の行動計画が2013年9月に公表されている。さらに、土壌汚染防止行動計画がおそらく2015年に公表されると見られている。李克強首相が2014年3月の全国人民代表大会で「わが国は汚染との戦争をしている」と述べたように、大気、水、土壌の汚染防止対策の強化に関する政府の最高幹部らの発言がこのところ目立って増えてきている。

 

地方によっては国に先行してプロジェクト計画を発表

上に示した汚染防止対策強化の動きと呼応するかのように、環境保護法の改正が2014年4月におこなわれ、これが2015年1月1日から施行されることになっている。この改正は、取り締まり権限の強化、地方公務員の環境パフォーマンスの格付け、汚染データの透明化、罰則の強化などをおもな内容としている。

水質汚染に関しては、広西チュワン族自治区、浙江省、湖北省の省都である武漢など、国の行動計画に先行して水質汚染対策のプロジェクト計画をすでに発表している地方もいくつかある。さらに、国の行動計画の正式決定後の数ヵ月間に、より多くの地方政府が同様のプロジェクト計画を発表するものと見られている。

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