オーストラリアの水利権取引、米国南西部やほかの国々のモデルとしてもてはやされる

オーストラリア型の水利権取引の枠組みを作り出すことによって、米国、特に南西部の地方が直面している水不足をかなり軽減できる可能性があるとWater Asset ManagementのMatthew Diserio社長が2014年5月8日に述べた。

同社長がこのように述べたのは、Euromoney Water Eventsが2014年5月7、8日にロンドンで開催したGlobal Water Investment Summitである。なお、Water Asset Managementは、もっぱら世界的に水の質や供給を確保している会社や資産に投資している企業である。Diserio氏の話の要点は、次のとおり。

  • オーストラリアで開発されたモデルの導入によって、米国で低開発の水利権取引の効率を高められる可能性がある。
  • オーストラリアの現在の水取引システムは1994年のオーストラリア政府間協議会(COAG)の水改革から始まった。4年後、Murray-Darling Basin Ministerial Council(マレー・ダーリング流域政府協議会)が、試験的な州間水取引プロジェクトを立ち上げ、COAGが2004年に、恒久的な水取引に参加する州の数を増やすことに同意した。
  • オーストラリア人は、一部の州で水の財産権が100年前に確立されていた米国から学ぶことができた。彼らは、最良の考え方を選び、うまくいっていないところを知った。
  • オーストラリアでは、農民が歴史的に頼ってきた水に別の価値があることに気付くと、水利用効率をできるだけ高めることに金をかけた。
  • 水利用効率に関連した投資をすることで経済活動が生まれ、それが価値を生み出し、農民があまり効率よく頼ってこなかった水供給の一部を解放した。
  • 米国の南西部で水の配分と利用の効率をできるだけ高めることの必要性は、特にコロラド川流域にあるMead湖とPowell湖の低水位によって強まった。水再生利用局は、両湖から少ない水をコロラド川下流に放流せざるをえなくなり、アリゾナ、カリフォルニアおよびネヴァダ州の若干の水利権所有者は少ない水の配分しかえられなかった。
  • 南西部が水危機に直面しており、世界のどこにでも経済に悪影響が及ぶ可能性があることを分かっている人は多くない。米国のGDPの3分の1は、南西部からであり、米国は、水供給危機によって米国の歳入の4~5兆ドル(約406~507兆円)を生み出す農業がすでに影響を受けている状況にある。
  • ほかの国も水管理効率を高めるために水利権市場の潜在力を検討している。たとえば、英国政府は、最近同国の水利権取引の初期の考え方について助言するためにオーストラリアの政策に関与した人を雇っている。

 

英国の場合

Severn Trent WaterのNeil Corrigall規制・企業戦略担当管理者の話の要点は、次のとおり。Severn Trent Waterは、英国の2大河川、Severn川とTrent川、の集水域の水の管理と供給に責任のある水公社である。

  • 近年英国では洪水や干ばつの頻度が増えている。
  • 水道施設間の連結がもっと必要だが、どこを連結するかが問題である。
  • 英国の水部門に市場体制を確立するには10~20年かかる可能性がある。
  • 水取引は、水管理の改善という課題に対する唯一の特効薬とはならないが、多くのアプローチの1つとなる。