ミャンマー・ヤンゴン市、工場排水の基準遵守を確認するため年2回の監査を実施

2014年9月29日に現地で報じられたところによると、ミャンマーのヤンゴン市開発委員会(YCDC: Yangon City Development Committee)は、工場からの排水が基準を満たしているかどうかを確認するため、年内に2014年2回目となる廃水処理システムの監査を実施する予定である。YCDCは、2012-2013年度から、年2回の監査を実施している。

6月に行われた2014年第1回目の監査において、YCDC環境保全局は、25の工場が排水基準を満たしていないことを確認し、廃水処理システムを改善するよう指導した。これらの違反工場の多くは、ヤンゴン市の工業団地に入居する食品関連工場であった。さらに、YCDCは8月31日までに14の工場に対して最終警告を行ったものの、4つの工場が排水基準を満たせず、これらの工場は2ヶ月以内に廃水処理システムを改善するよう再度命令を受けた。

排水の水質検査は、5つの項目に対して行われ、排水基準を満たさない工場に対しては、ビジネスライセンスの取り消しや工場の一時操業停止等の処分が下される。ヤンゴン管区域にある29ヶ所の工業団地のうち、YCDCは24ヶ所の工業団地に入居する約4万の工場を監督しており、またYCDCは水処理技術や工場の水処理計画策定といった無料のサービスを提供している。

ミャンマーの排水基準について

民主化が進む同国では、2012年に初めての環境基本法である“環境保全法(連邦議会法律2012年第9号)”が制定された。現在、排水等の基準値を含め、その下位法令の策定が進められている段階であり、今のところ住居、商業施設、工場等からの排水を規制する基準はない。ただし、新たに商業施設や工場等を建設する場合には、許可申請の際に事業主に対して、ヤンゴン市の場合はYCDCが、その他の場合は工業省が、個別に事業主が守るべき排水管理基準値を提示している。現在、事業者に対して示される基準の参考となっているのが、1995年8月21日付けの“水質汚濁・大気汚染管理計画に関する工業省命令1995年第3号”である。また、ミャンマー投資委員会が1994年6月に発行したガイドラインは、新たな投資プロジェクトに対して廃水処理システムを設置するよう求めており、これまで同国では本ガイドラインに沿うよう水質汚染管理が行われてきた経緯がある。

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