米の市民団体や業界団体、新たな飲料水規制物質候補リスト案でEPAを批判

米環境保護庁(EPA)が2015年2月4日に公表した飲料水規制物質候補リスト案(CCL4案)について、市民団体のClean Water Action、水道事業者の全国組織である米水道協会(AWWA)、化学品メーカーらの業界団体であるアメリカ化学工業協会(ACC)といった組織が、批判的な意見をEPAに提出した。これら組織が問題にしておるのはおもに、現行のCCL3に掲載されている規制候補物質のうち、きわめて多くの物質がCCL4案にそのまま引き継がれている点である。また、マンガンが新たにリスト入りしたことや、ほとんどのシアノトキシン(藍藻毒)が一括してひとつのグループとして掲載されていることも批判の的になっている。
以下は、CCL4案について各組織がEPAに提出した意見の概要である。

Clean Water Actionの意見

CCL4の策定にあたって、何を根拠にEPAが「簡略化されたプロセス」を採用したのかを明確にしてほしい。CCL3に含まれていた物質のうち、規制をするかどうかの決定がなされていないすべての物質が自動的にCCL4案にはいっているが、これは新たなデータを反映したものとはいえず、問題だ。

AWWAの意見

かなりの数の物質がCCL3からCCL4案に自動的に引き継がれているのは問題だ。これら物質はかならずしも優先的に扱われるべきものばかりではない。また、CCLの策定にあたっては、あまり多くの物質を入れすぎないようにして、高懸念物質への集中的な取組に役立つようにしたほうがよい。

ACCの意見

多くの物質がCCLの更新のたびにそのまま引き継がれており、これではこれら物質の規制が忘れ去られているも同然だ。CCLに収載されているすべての物質について、規制が必要、不必要、さらなるデータが必要などの判断を迅速にくだすのがEPAの務めだ。

ASDWAはEPAを支持

水質問題に関係する大きな組織のなかで、州飲料水担当官協会(ASDWA)だけは、多くの規制候補物質がCCL3からCCL4案にそのまま引き継がれたことを支持している。CCL3に掲載された物質に関して現在得られているデータからして、これら物質に健康への影響の潜在的可能性があることは明らかであり、最終結論が得られるまで評価をつづけるのは意味があるというのがその理由である。

なお、EPAが2015年2月4日に公表したCCL4案は以下のURLで読むことができる。
http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2015-02-04/pdf/2015-02210.pdf

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