WBCSD、インドの持続可能な水管理のためのツールをリリース

2015年2月27日、インド工業連盟(CII)のイベントWater India 2015において、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)はIndia Water Tool(IWT)の新バージョン(IWT 2.0)を発表した。IWTは、ユーザーが水リスクを理解し、持続可能な水管理のために優先すべき行動を理解するためのシステムである。WBCSDのリードの下、10の企業(ACC、Ambuja、Aditya Birla Group、BASF、ITC、Jain Irrigation、Mahindra、Monsanto、Nestle、およびPepsiCo)と3つのシンクタンク(世界資源研究所[World Resources Institute]、CII-Triveni Water Institute、およびSkoll Global Threats Fund)メンバーとするワーキンググループにより、インドのために共同開発されたツールである。

インドは健康、農業や工業に大きなリスクをもたらす深刻な水不足に直面している。工業化と都市化が加速するにつれ、地下水への依存度が非常に高いインドの水資源は国全土にわたってコンスタントに減少している。予測によれば、インドは2030年までに、需要と供給に50%のギャップが生じるだろうと推定されている(2030 Water Resources Global Water Supply and Demand Modelのデータによる)。

水リスクに関する重要データへのアクセスとその分析を容易に行うことが可能に

このIWTは、ユーザーが水リスクを計測・マッピングすることを可能とし、これを通じて水不足の課題に対する対応策を支援するものである。誰にでも利用可能な、ユーザーフレンドリーな設計のこのツールは、インドの政府機関から提供された14の利用可能なデータセットに加えて、世界資源研究所およびコロンビア水センターが公開している水ストレス指標(water stress indicator)を統合するものである。WBCSDによれば、IWT 2.0オンラインプラットフォームを使用することで、ユーザーは重要かつ包括的なデータへのアクセスとその分析を容易に行うことができる他、水リスクのマップを作成し、あるいは重要な水リスクを捕捉するために選定された指標が含まれたExcelベースのスプレッドシートをエクスポートすることができる。さらに、IWTを利用して新たな土地を対象とした第一段のスクリーニングを行い、企業および投資家による潜在的リスクの評価に役立てる他、グローバル・レポーティング・イニシアティブやCDP Water、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックスなどの情報開示イニシアティブのためのアウトプットを提供する役割も果たすという。

WBCSDは、このツールについて、インドの水管理のための新たな一歩であるとしている。インド全土を対象とした分析から、IWTが地域ごとの水に関する状況に関する深い理解を促し、包括的な企業の水管理戦略およびホリスティックなスチュワードシップ・アプローチの構築を助けるものであることがすでにわかっている。フォローアップ活動としては、水ストレスに直面する土地における対策の優先順位付け、土地レベルの詳細な評価、環境データトラッキング、および新しいプロジェクトの評価の優先順位付けが含まれうる。

すべてのステークホルダーに責任とリーダーシップを負わせる必要性

WBCSDは、水を持続可能な方法で管理するためには、水関連データを収集・保存し、一般市民に利用可能なものとすること、そして全セクターにわたるステークホルダーらにリーダーシップと責任を負わせることが欠かせないと指摘する。またその上で、IWT 2.0は国家レベル、河川の流域レベル、工場レベルなどあらゆるレベルにおいてすべてのステークホルダーらに行動を起こすことを奨励し、すべての関係者の水管理を向上させる後押しをするものだと結論付けた。

なお、現在CII-Triveni Water Instituteの主導の下、IWT 3.0の開発に向けた作業が進められている。このバージョン3.0は、SALDAS (South Asia Land Data Assimilation System)のデータを利用するものとなるといい、ジョンズ・ホプキンス大学、NASAの研究者ら、WBCSD、および南アジアの様々な機関との協力を得て開発が進められるという。