米EPAと陸軍工兵団、水質浄化規則を最終決定――議会では反対の動き

米環境保護庁(EPA)と陸軍工兵団は2015年5月27日、水質浄化法で保護される河川や湖沼等の定義を明確化するなどの内容を盛り込んだ水質浄化規則を最終決定したことを明らかにした。この最終規則のおもな内容は以下のとおりである。

  • 下流の河川湖沼等の健全性に影響をおよぼす支流の定義を明確化し、それら支流を保護する。
  • 水質浄化法による保護対象の河川湖沼等に隣接する河川湖沼等の汚染防止策を明確化する。
  • プレーリー・ポットホール、カロライナ・ベイ、デルマーバ・ベイ、ポコシンなど地域の貴重な湿地帯を保護する。
  • 構造物としての水路ではなく、下流に汚染を運ぶ流れとしての水路を重点的に汚染防止の対象とする。
  • 自治体の分流式下水道システムを流れる水については、この最終規則による処理方法等の変更はない。

上院委員会、水質浄化規則を無効にする法案を可決

しかしその後、上院環境・公共事業委員会は2015年6月10日、EPAが公表したこの水質浄化規則を事実上無効にする法案を賛成11対反対9で可決した。この法案には共和党の委員全員が賛成し、党派によって賛否がはっきりと分かれるかたちになった。水質浄化規則についてEPAは、これは従来も水質浄化法のもとで保護されてきた河川湖沼等を保護するものであって、農業等に新たな許認可の取得を求めるものではないとしているが、共和党議員らは、この規則は従来のEPAの権限を大幅に拡大するもので、州有や市有の河川湖沼までがEPAの規制下にはいってしまうことになるとして、反対の姿勢を強めている。

なお、この最終規則の官報掲載前のテキストは以下のURLで読むことができる。
http://www2.epa.gov/sites/production/files/2015-06/documents/preamble_rule_web_version.pdf

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