メキシコ環境監査局、化学工業や自動車部品産業など28社を環境規定遵守違反で閉鎖処分

メキシコ環境監査局PROFEPAは、プエブラ州、トラスカラ州およびメキシコ州の繊維、食品、化学品、石油化学、自動車部品、製紙など合計161社を立ち入り検査し、2015年2月から7月までに、「エコロジー均衡および環境保護一般法」や「廃棄物予防および総合管理一般法」違反により90m3の危険廃棄物を没収し、アトヤック川とレルマ川の水質汚染などの環境規定遵守違反で、合計28社を閉鎖処分した。

プエブラ州とトラスカラ州では、汚水の排水が疑われる132社を立ち入り検査し、20社を閉鎖処分した。うち19社は事業所の一部の一時閉鎖、1社は事業所全部の一時閉鎖となっている。主な違反は、危険廃棄物の取扱い規定の不履行で、危険廃棄物排出者の自主分類をせず、危険廃棄物の排出記録を保持していないことによるものや、適切な安全措置をとらずに危険廃棄物を保管し、許可された場所への受け渡し記録がないものとなっている。

メキシコ州では、合計29社に立ち入り検査が実施され、「廃棄物予防および総合管理一般法」および「エコロジー均衡および環境保護一般法」の規定違反や、同州を流れるレルマ川への排水による水質汚染で、8社が事業所の一部および一時閉鎖処分を受けた。主な違反内容は、危険廃棄物排出者登録不備、危険廃棄物の分別や一時保管方法の不備、変圧器のPCB取扱い不備、危険廃棄物の表示不備、有害物質の河川への排水となっている。

「エコロジー均衡および環境保護一般法」の第171条では、立ち入り検査を受けて違反が見つかった場合は、最低賃金3万日から5万日分の罰金や、事業所の一時または永久閉鎖処分、場合によっては責任者の36時間の行政拘留措置、ライセンスや許可の撤回処分が規定されている。

環境監査局は、プエブラ州とトラスカラ州を流れる全長約200kmのアトヤック川沿岸の検査を引き続き行う予定であり、これまでの進捗度は30%となっている。

なお、2015年7月に、環境監査局とメキシコ国家水委員会CONAGUAは、「2013-2018年国家開発計画」の目標のひとつである「水資源の持続可能な管理」を達成するため、繊維、食品、化学および石油化学、飲料、金属加工、自動車および自動車部品、製紙業による水域への排水検査を合同で実施し、水質汚染に関する情報交換する合意書を締結している。