世界32企業がビジネス同盟を発足――気候変動に対する水資源の持続可能な管理を追求

2015年12月、リマ=パリ行動議題(LPAA)の1つとして、「水と気候変動のためのビジネス同盟」(Business Alliance for Water and Climate Change)が発足した。これは、公的機関が後援し、CDP(国際NGO)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)のCEO Water Mandate(水資源に関するグローバル官民イニシアチブ)、および持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)が共同で統括している。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5回報告書では、気候変動で引き起こされる飲料水に係るリスクは、温室効果ガスの増加と共に増加するとされている。温暖化が1度進行すれば、世界の人口の7%が最低でも20%の水資源の減少にさらされる。また、20世紀で洪水の被害に遭った人々の数は、21世紀の終わりには3倍になると予測されている。

これらの危機感を背景に、今回の「水と気候変動のためのビジネス同盟」が結成され、加わった企業は以下の1つにコミットしている。

  1. 認識:水に関するリスクを分析して知らせ、対応する戦略を実施する
  2. 測定:標準化された方法を用いて、価値連鎖を通じて水への影響を測定する
  3. 削減:価値連鎖を通じて、水の安定供給と品質への影響を減らす

この試みはフランスとペルー政府の後援を受け、COP21のレジリエンス(注:自然災害や人間の行動によって重大な混乱が引き起こされたエコシステムの機能回復力)の日に開始された。すでに世界32企業(例えば、Carrefour、Astra Zeneca、Fujitsu Limited、SUEZ、Woolworths、Gas Natural Fenosa等)と9つの機関(例えば、Alliance for Water Stewardship、WBCSD、CDP、Water Footprint Network等)が参加している。