米EPA、飲料水規制物質候補リスト3収載の4物質を規制せずと最終決定

米環境保護庁(EPA)は2016年1月4日、飲料水規制物質候補リスト3(CCL3)に収載されている116物質のうち、ジメトエート、1,3-ジニトロベンゼン、テルブホス、およびテルブホススルホンの4物質について、飲料水基準を制定しないという最終決定を官報で告示した。EPAはまた、この告示で、同じくCCL3の収載物質であるストロンチウムについて、その飲料水基準を制定するかどうかの最終決定を遅らせることも明らかにしている。なお、CCLにはCCL1からCCL4までの4つのリストがあり、このうちCCL3には以下の条件を満たす物質が収載されている。

  • 現在のところ、その物質を対象とした飲料水基準案も飲料水基準もない。
  • 公共上水道の飲料水中に存在することが知られているか、または存在すると考えられている。
  • 安全飲料水法のもとでの規制が必要になる可能性がある。

最終決定までの経緯

1996年に改正された安全飲料水法は、EPAに対し、5年ごとに少なくとも5つの未規制物質について、それらの飲料水基準を提案・制定するプロセスを開始するかどうかの決定をくだすことを義務づけている。これにもとづき、EPAは2014年10月20日、ジメトエート、1,3-ジニトロベンゼン、テルブホス、およびテルブホススルホンを規制しないこと、また、ストロンチウムの規制へ向けたプロセスを開始することを予備決定し、それについて意見募集をおこなった。

今回の最終決定は、寄せられた意見を参考にして下されたもので、ジメトエート等4物質については予備決定どおり飲料水基準を制定しないこととなった。しかし、ストロンチウムについては、さらなるデータの検討が必要だとして、飲料水基準制定に関する最終決定は見送られた。

なお、EPAがこの最終決定を告示した官報記事は以下のURLで読むことができる。
https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2016-01-04/pdf/2015-32760.pdf

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