コロンビア国家開発庁などの調査、上下水道普及と上水道の水質に問題があることを指摘――地方の上下水サービス会社の統合が推奨される

コロンビア国家開発庁(DNP)、世銀及び住宅省が行った調査の報告書で、上下水道普及率を向上し、飲料水の質を改善する為、全国1100市町村に散在する2763の小規模の上下水道サービス会社を統合する必要があると指摘された。なお上下水道サービス会社は、登録されている会社は2763社であるが、これ以外に登録されていない会社が8000~1万4000社あるとされている。このため国家開発庁は、管轄当局である公共サービス監査局及び上下水道規制委員会(CRE)はその権限を行使し、登録されていない会社も含め、市町村ごとに管轄されているサービス会社の統合を命じることを推奨している。

現在コロンビアでは、上水道普及率は都市部で97.2%、農村部で73.3%、下水処理普及率は都市部で91.2%、農村部で69.9%となっており、特にカリブ岸地方と太平洋岸地方で、上水道普及率が平均を下回っている。しかし農村部だけを対象に行った国勢調査では、水道を有する家屋は42%で、下水道を有する家庭はわずか6%という結果が出ている。

政府による多額のインフラ投資支援にも関わらず、全国で水道管不良などにより43%の飲料水が喪失、住民2500人以下の市町村の58%の水道の水質が、適正水準を満たしていない点が、報告書で指摘されているが、これらの小規模のサービス業者は、サービス改善の為の資金がない。また報告書では、小規模の上下水サービス会社を区別した政策、規制や補助金制度を策定し、小規模サービス会社への融資や技術サポートを提供することを推奨している。

尚上下水道普及率100%とする為には、今後10年間で約US$176億の投資が必要となっている。このうちUS$140億は既に国家予算で確保されているが、US$36億不足しており、国家開発局長は、PPPによる事業が重要な役割を果たすであろうと述べている。

また公共サービス会社協会の副会長によれば、現在汚水の処理率はわずか36%であり、これを10年で50%とすることを目標としていると述べている。

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