チリの環境監査局、大手製紙会社の汚水排水違反に対し、罰金額が3000万米ドルに達しうる起訴プロセス開始

チリの環境監査局SMAは2016年1月11日、大手製紙企業アラウコ社のバルディビア工場の工業排水に対する起訴手続きを開始した。同工場は、年間55万トンのクラフトパルプを生産する工場で、1998年にプロジェクトの環境ライセンスを取得し、2008年には汚水のろ過膜による処理システムの環境ライセンスを取得している。

環境監査局は、2013年、2014年及び2015年に、同工場を保健省、林野庁、漁業庁、農牧省と合同で監査しているが、今回の起訴にあたっては、2013年1月から2014年12月までの、工業排水を規制する政令No.90を遵守する為の自己管理状況が調査・分析され、11件の不履行が見つかった。うち1件は、2014年1月の、パルプ製造工程の汚水漏出を当局に報告せず、川への流出を避ける措置もとらなかったことに対するもので、これは過度の違反に相当する。この川への汚水漏出に対しては、漏出3日後に、大量の魚が死んでいるという住民の訴えが、環境監査局に出されている

その他、汚水処理システムの環境ライセンスで規定されている逆浸透膜プラントも吸水口も設置していない点や、木材置き場の雨水流出量の記録器具が設置されていない点、排出された汚水が基準を超えている点、規定の頻度でモニタリング結果を報告していなかった点、不凝結ガス焼却炉のガス洗浄システムが設置されていない点などが、起訴の対象となっており、5件が重度の違反、5件が軽度の違反に指定されている。

なお、過度の違反に対しては、環境ライセンスの撤回や、事業所閉鎖、1万課税単位までの罰金措置、重度の違反に対しては、環境ライセンスの撤回、事業所閉鎖、5000課税単位までの罰金、軽度の違反に対しては、1000課税単位までの罰金が課せられることが、関連法で規定されている。今回の起訴事項を合計すると、罰金額は3000万米ドル(約35億円)相当に達する

今回の調査では、工場の幹部や労働者への聞き込み調査により、起訴内容が確定された。アラウコ社は、起訴後10日以内に、違反事項の遵守プログラムを提出するか、15日以内に環境監査局に訴えの否認手続きをとることができる。アラウコ社は2004年には、同じバルディビア工場の川への汚水排出で、大量のクロエリ白鳥に害を与え、740万米ドル(約8億6500万円)相当の賠償金の支払いを行っている

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