Suez Environnement、2015年は人口増加国での活動拡張

Suez Environnementは2015年、従来の欧州市場での基盤を固めると共に、人口が増加し、経済が成長している地域でのプレゼンスを強化した。

フランスでは、20万人の住民に恩恵を与える汚水処理場の稼動が開始した。これはセーヌ川の生物・化学的状態を改善するもので、試薬の消費量の制限や汚泥のリサイクルを考慮した、環境に優しい処理場となっている。またクロアチアでは、膜分離活性汚泥法(MBR)による4つの汚水処理場の設計及び建設契約を受注した。この汚泥処理ラインでは、60%の汚泥が太陽熱乾燥され、40%の汚泥はコンポストとして再利用される。

スペインでは、プエルト・ロサリオの淡水化プラント拡張や、ガリンドの汚水処理場の、デグレモン社の技術を使った8000kg/時の処理能力をもつ第3汚泥焼却炉が完了した。またヒホン、ブルゴス、オウレンセの汚水処理場は、2016年初めに試運転を開始する。

アフリカにおいては、5月にモロッコで、汚水前処理プラントが開所した。これは、都市部の55%の汚水を処理し、沿岸部の生態系を保護する為、パイプラインで海域に排水するものとなっている。アルジェリアでは、2万4000m3/日の飲料水及び工業用水製造能力を持つ2つの淡水化プラントプロジェクトと、4万9905m3/日の能力の淡水化プラントプロジェクトが開始した。またブルキナファソでは、新しい飲料水処理場の設計建設契約及び、既存の飲料水処理の処理能力を倍増して30万m3/日とするポンプ設備を受注した。どちらも、子会社であるDegrémont社の技術を使用したものとなっている。

中近東では、ヨルダンで、汚水処理場の拡張が完成し、処理容量が26万7000m3/日から36万5000m3/日に増大した。この処理場は、80%のエネルギーを自給し、ヨルダンの人口の35%をカバーするものとなる。またヨルダンの農業用水の10%を供給する。アブダビでは、14万m3/日の淡水化プロジェクトが予定されており、オマーンではDegrémont社の技術による汚水処理プラントの建設が始まった。カタールでは、28万m3/日の処理能力をもつ汚水処理場の拡張工事が進められている。これは100万人以上の住人に恩恵を与えるもので、処理された水は緑地の灌漑に使用され、水域に還元される。

エジプトでは、カイロの二つの汚水処理場の4年間のO&M契約を受注した。運河やナイル川流域の自然環境に排出される排水の質を大幅に改善するものとなる。エジプトでは現在、飲料水の70%は、スエズ社が建設した処理場から供給されている。

インドでは、150以上の処理プラントを設計し、2つの処理場の建設が進められている。中国では、3百万人の住民が排出する汚水を一日60万m3処理する処理プラント向け機器の供給、設置管理、立ち上げ、試験を請負う。

ブラジルでは、三井海洋開発のFPSOモジュールのマルチレイヤーフィルター及び脱気塔を含む、ナノフィルターによる硫酸塩排除ユニットの設計と供給を受注した。