2016年3月14日に米水処理大手Xylemが発表したところによると、米国カリフォルニア州では干ばつ対策として再生水が高い支持を受けていることがわかった。これは、Xylemがカリフォルニア州全土を対象に実施した調査^*1により判明したもので、住民が水を再生する高度な処理プロセスを知ることで、再生水が安全で清浄だと理解され、さらに支持が高まるという結果も得られた。

カリフォルニア州では、依然として干ばつの深刻さとその影響が住人らの最大の懸念事項となっており、長期的な解決策が求められている。この状況を受けてXylemは今回の調査をおこない、同州の住民は日常生活に再生水を利用することを支持することが判明した。これについて、Xylemの北米市場の責任者である上級副社長のJoseph Vesey 氏は次のようにコメントしている。「我々は、再生水が市民にどれだけ受け入れられるかを知るために本調査を実施しました。そしてその結果は、我々を大きく勇気づけるものでした。これだけ多くの市民の支持があるカリフォルニア州は、再生水の利用可能性と受容率において米国をリードする位置にあると言えます。地域社会が再生水などの持続可能なソリューションを含む水資源戦略の策定に向けた取り組みを進めている同州は、地域社会ごとのニーズを把握するフレキシブルな枠組みの立ち上げに成功する可能性があります」

同調査の結果を以下にまとめる。なお、本調査では「再生水」の定義を「排水を飲用目的に再利用できるまでに処理・浄化されたもの」としている。

• 回答者の76％が、「今後水不足の状況が続くかどうかに関わらず、水資源管理のための長期的なソリューションとして再生水を使用すべきである」と回答した。
• 回答者の約半数、49%が新たな国内の水資源として再生水を使用することを「強く支持する」と回答し、38％が「まあ支持する」と回答した。
• 回答者のうち、42％が日常生活において再生水を「使いたいと強く思う」と回答し、41％が「まあ思う」と回答した。これらの結果から、カリフォルニア州では非常に多くの住人が日常生活における再生水の使用について、非常に前向きにとらえていることが明らかになった。
• 排水が飲用水に再生される処理プロセスについての説明資料を読んだあとでは、89%の住人が「再生水の利用をより強く希望するようになった」と回答した。
• 88%の住人が、「水の浄化プロセスのデモンストレーションを見ることで、より安心して再生水を使用できる」と回答した。（このことから、再生水に対する大きな支持を獲得するためには教育が鍵となることが示唆された。）
• カリフォルニア州の住人の85 %が「エルニーニョ現象によりカリフォルニア州の降雨量が増えたとしても米国は再生水の飲用目的の使用に投資を続けるべきだ」と回答した。（このことから、カリフォルニア州の住民らは、再生水を5年間にわたる干ばつに対処するための短期的な解決策とは見ていないことがわかった）
• 実際に、エルニーニョ現象によりカリフォルニア州の降雨量は増えると見られているが、「エルニーニョ現象により節水についての懸念が軽減するだろう」と回答した者は全回答者のうち12%にとどまった。
• 再生水を新たな水資源として使用する際の呼称については、回答者の90%が「purified water（精製水）」の語を好み、最も多かった。これは、「recycled water（リサイクル水）」の87%、「reclaimed water（再生水）」（82%）の語を上回っている。

*1 調査方法は以下の通り；
回答者：無作為に抽出したカリフォルニア州に住む3000人の有権者
期間：2016年1月14～30日
手法：Xylem社がEdelman Intelligence社に調査を委託
その他：「recycled water」、「purified water」、「reclaimed water」の語の評価は、それぞれについて無作為に抽出した約1000人の有権者が評価を行った（許容誤差は+/- 3.1％）