台湾、改正「水道法」を施行――洗濯機や蛇口、便器等への節水マーク表示を義務化

台湾「水道法」が、2016年5月4日に改正公布され、改正法は改正公布日より施行された。今回の改正の主な内容は以下の通り。

節水専用マークの追加

蛇口、洗濯機、便器など指定の水まわりや衛生設備などを販売する際には、節水マーク(下図)の表示が必須となる。これにより、節水マークが表示されていない製品を販売した場合、4万NT$(約13万4000円、2016年5月12日レート)以上、20万NT$(約67万円)以下の罰金が課されるとともに、期限付きの是正命令が下され、是正しない場合、回数に応じて処罰される。

改正条文は、(1)洗濯機、(2)洗浄水量固定式節水便器(一般等級*1、ゴールド等級*2)、(3)洗浄水量2段階調整式節水便器(一般等級、ゴールド等級)、(4)洗浄水量2段階調整式便器洗浄器、(5)一般的な蛇口、(6)感応式蛇口、(7)プッシュ式蛇口、(8)シャワーノズル、(9)節水機器の付属品、(10)小便器用洗浄器、(11)洗浄不要型小便器の11製品に適用される。

これまで節水マークの表示は任意だったが、同改正法が施行されれば、節水機器の使用が強制されることになる。同改正によって、国民一人一人の水使用量の削減を図る狙い。経済部によると、1996年当時291Lだった国民一人当たりの水使用量は、2013年には268Lまで減少し、節水も一定の効果を上げたといえる。しかし、一般家庭用の設備を節水型に交換した場合、一人当たりの平均水使用量は約173Lから158Lまで減少し、シンガポールなど先進国の基準に近づく。それゆえ、節水機器の強制を推し進める必要がある。

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図 節水ラベルの見本

設備の管理

水道水利用者が使用する設備については、関連基準に従って取り付け、専門機関による検査で合格した後、給水が可能となる。中央の監督官庁も節水技術の研究開発に参加するよう民間企業を促している。

経済部水利署は、当初、節水マーク製品の強制使用の施行開始を来年末に予定していたが、その後、処罰の対象をメーカーのみに限定したため、作業スケジュールが短縮され、早ければ来年中には実施される見通しである。まず洗濯機と便器を対象に実施する予定。経済部によると、すべての計画が実施されれば、節水量は年間で630万トン、2021年までの累計量は3500万トン、2031年までの累計量は約1億トンにまで達する見込みだという

改正された「水道法」の原文は、以下のURLにて閲覧可能である(中国語:繁体字)。
http://wralaw.wra.gov.tw/wralawgip/cp.jsp?displayLaw=true&lawId=4028868129e941f3012a119cb3b00203

*1 洗浄水量6L以下の便器
*2 洗浄水量4.8L以下の便器

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